その一言
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「「大丈夫?」」
私はすぐさま涙を服の袖で拭いた。
「すいません・・・グスッ。」
「あ、きゅ、急に話しかけた僕も悪いし・・・。ごめんなさい。」
少年は深深く謝っていた。
私の顔はきっとひどい顔をしているんだろーとそう思いながらも答えた。
「いいえ、ありがとう。ここで泣いてる私が悪いしね(笑)」
「いえ、違うんです。」
少年は首を横に振った。
「ココは涙の噴水っていうとこなんでココで泣いてる人の方が多いんです。」
真剣に説明された。・・・が、看板を見る限り:三沢の噴水:と書いてある。
「あ、ばれちゃいました?」
私の目線の方向に看板があるのに気づいて、苦笑いして髪の毛をボリボリ書いた。
「え、あぁー。なんかすいません(笑)せっかく慰めてくれたのにすぐに見つかるようなとこにある看板を見てしまったり、さっきからすいませんとかしか言わなかったり・・・・・・」
少年は驚いた。いきなり長文で話すので。
その内容に気づき、
「いえいえ!なんかこっちもすいません?!すぐ見える看板無視して:涙の噴水:とか笑えるようなこと言ってさっきからあたふたして話したりしてすいません!!」
少年も負けずと長文で返してきた。
でも、2人の内容をお互いに理解した瞬間・・・。
なんか笑った。大爆笑。それも2人で・・・。
おなかを掲げて笑ったり、涙が出るほど笑っていた。
「あぁ、なんか笑えて来ちゃった。」
「僕もですよ。」
「今も思い出したら笑っちゃいそう」
「あはは。思い出してしまいましたよ」
少年は、地面に置いたリュックを背負った。
そして、私の前に来て、手を差し伸べた。
「帰りますか?」
私は、少年を一瞬、疑った。そして笑顔でその手を借りた。
「はい!帰ります!」
笑って、少年の横で歩いた。
「そいや、名前は?」
「如月 夢羽です!女の子っぽい名前でしょ?」
「ううん。私は、夢崎 羽緒。変わった名前でしょ?」
またまた、笑った。
こんな毎日が続いていれば人生笑う事してなかったんだと思った。
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