宿泊
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ような底の知れた輩では確かに手に余るだろうな、少将。魔法さえあれば力技でどうにかなるという生半可な気持ちで手を出すから余計な損害が増える。よくそんな体たらくでその階級まで上り詰めたものだな」
「……重々承知しています」
「全く……貴様が余計な真似をしてくれたおかげで、あの世界のこちら側に対する信用は一気に失墜した。元の水準に立て直すまで、時間も費用も人員もどれだけかかるのか、その筋肉の詰まった脳ミソはわかっているのか?」
「恐れながら閣下もご存知でしょうが、彼の世界の奴らは魔法も使えないくせして中々しぶとく……特に最近正式採用されて導入してきたシャゴホッド型戦車の機動力、防御力は侮り難く、ちょこまかと動いては巨体を生かした突撃をかましてきます。おかげでこちらの陣形が乱れ、我がクラッシュバスターがかすりもせず……いや、狙いさえ定まりますれば、あのような鋼鉄の塊なぞ……」
「愚か者! 確かにあの世界には魔法技術は無いが、それを補って余りある兵器開発力があるのだぞ! 下手をすれば魔法を使わずに管理局の上を行く技術を奴らが持っている事が何故わからん!」
「閣下!」
「もういい、下がれ! 貴様と話していると虫唾が走る」
そう吐き捨てる様に告げたサルタナはさっさと立ち去り、エレンもイエガー社長との会話を切り、彼に合流した。
「エレン……アレクトロ社に何を吹き込まれた?」
「恒例の件です。裁判の賄賂で、今回はプロジェクトFATEの開発者が関わっているので勝ちたいとか。当然後ろ暗い根回しであるのは見え見えでしたのでお断りしましたわ」
「プレシア・テスタロッサか……資料では確か元アレクトロ社所属の研究開発主任で、新型魔導炉ヒュードラの事故で娘を失い、島流しに遭ったのだったな」
「私達がそろって執務官と弁護士の資格を持っているから、彼らも私達が被告人側に着く事を警戒したのでしょう。それでどうします? 被告人の後ろ盾にハラオウンさんが絡んでいますけど、彼女達では“裏”に対応出来ませんわ」
「ふん、奴らは“表”では相当な発言力があるが、対して“裏”では何も出来ん。恐らく今行われている高等裁判でも、“裏”の根回しで敗訴するに違いない。このまま最高裁にもつれ込んだ所で、結果は変わらんだろう。が、わざわざ俺達が手を貸す意義が無い」
「その事なのですが私が探ってみた所、今回の裁判の裏には例の件が関わっている可能性があります」
「例の件……『SEED』か?」
「はい。『SEED』の開発元はアレクトロ社だと私は睨んでいます。今回の裁判を上手く利用すれば、アレクトロ社の内部を探れるかもしれませんわ」
「なるほど……しかし先程の件で俺達の動向はアレクトロ社に警戒された。少なくとも俺やエレン、部隊の人間を
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