宿泊
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もせん。ま、筋は悪くないが俺に届かせるには十年早い」
尤も俺自身の寿命が先に尽きるが、わざわざ教えずとも良いだろう。
「はあっ! やぁっ! うぉりゃあっ!」
「忠告だ。そこは大振りの回し蹴りじゃなく、右のジャブを放った方が良い。決め手を入れるのはこのタイミングじゃない」
「ッ! ならばっ!!」
「急に違う動きを取り入れるのは間違いじゃないが、自分が使い慣れていない動きは逆に大きな隙を生む。要練習だ」
ギンガの放つ攻撃を片っ端からいなし、スバル曰く「途中から指導になっていた」この決闘は最終的にギンガの体力が底をついて膝を突き、実質スタミナ切れで俺が勝利した形になった。ちょっと大人げなかったか?
「ぜぇ……ぜぇ……! て、手も足も出なかった……!」
「いや、十分出てたじゃないか」
「動きだけはね……! でも実力は雲泥の差だよ……全く歯が立たなかった……!」
「それなりに修羅場は潜ってきたからな、経験の差だ」
「経験かぁ……」
「そう悲観せずとも、これから経験を積めば俺ぐらい越えられるさ。さっき言った十年はあながち冗談でもないからな」
「そうなの? だったら十年後に、もう一度あなたに挑戦するから! あなたを越えるのを目標に、これから頑張って見せるから!」
「そうか。で、結果はどうなんだ?」
「へ? 結果って……」
「宿泊の許可だ」
「あ……そういえばそうだった。うん、もういいよ。あなたが強いって事がわかったんだし、認める。それに……母さん以外の人で越えたい目標にもなったからね」
「生憎だが、目標はもっと身近な人間にしておけ。俺なんかを目標にしても、何にもならないぞ」
「う〜ん、でもなぁ……。私見だけど、あなたからは学べることが多いと思う。多分、どんな学校に行っても学べない本当に大切な事……それを教えてくれるかもしれない」
「…………買いかぶり過ぎだ。俺は……」
「ギン姉〜!」
決闘と言う名の組手が終わった事で、半泣きのスバルがギンガに駆け寄る。ギンガも妹の手を振り払うような性格はしていないため、苦笑いしながらスバルの背中を撫でていた。なんか変な終わり方だが、これはこれで良いか。
「もう日も暮れた、戻らないとクイントとゲンヤが心配するぞ」
「はい!」
「やけに元気そうに言うな?」
「それは内緒です!」
「…………」
そうして俺達はナカジマ家に3人そろって戻って行った。なんかフェイトとアリスをフラッシュバックで思い出しそうな光景だ。
それからいつの間にギンガ達と仲良くなったのかとクイントが微笑ましく見てきたり、ゲンヤがうちの娘は渡さん的な発言に冷静にツッコミを入れる俺とクイントの姿があったりしたが、こ
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