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リリなのinボクらの太陽サーガ
宿泊
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もひと段落して余裕が出来たため、あえて断る事も無く俺はスバルの案内で近くの広場に立ち入った。そこにあった遊具のてっぺんで、俺を呼び出した少女は腕を組んで待ち構えていた。

「ようやく来たね!」

「どうでもいいが、落ちるなよ」

「落ちるもんかぁー!! いい? 私はまだあなたがウチに泊まる事を認めてないんだから! ちゃんと私から泊まって良いって許可をもらいなさい!!」

「…………じゃあどうすればいい?」

「簡単よ、私と決闘して! あなたの実力を認めたら、泊まる許可を出してあげるから!」

……どうやら姉として家族を守る気持ちが暴走した結果のようだ。幼いながらも立派な心掛けだが……俺はラタトスクのようなサディストじゃない。

「言っとくけど私は母さんからシューティングアーツをたしなんでるんだから! 子供だからって甘く見ないでよね!」

「そうか」

「全然わかってな〜い! こうなったら力づくでわからせて―――」

そこまで言った瞬間、ギンガは足を滑らせて遊具から落下してしまった。咄嗟にゼロシフトで彼女の落下地点に先回りし、しっかり受け止める。

「言わんこっちゃない……」

「あ、ありがとう……って! ちがっ!? 違うんだから! 早く降ろして!」

ジタバタ暴れ出したギンガをさっさと降ろすと、彼女は頭に血が昇ったせいか、赤くなった顔でこちらをキッと睨んできた。ちなみにスバルはギンガが落下した時に泣きそうになっていたが、今はポカンとしている。とりあえず彼女には近くのベンチに座ってもらった。

改めて距離を取ったギンガは、コホンと小さな咳払いをすると、両手を上げてシューティングアーツの流派らしき構えをとった。対する俺は構える事はせず、自然体で向き合った。

「構えて」

「必要ない」

「くっ……ならその余裕が失敗だってわからせてあげる!」

直後、彼女の年齢にしては勢いのある踏み込みの正拳突きが放たれる。俺は最低限の動きで軽く身を逸らし、彼女の攻撃を空振りさせる。そこから続けざまに振るわれるギンガのシューティングアーツの体術を、全て体を動かすだけでかわし、同時にシューティングアーツのクセを脳内で解析していく。足払い、パンチ、回し蹴り、かかと落とし、裏拳、とギンガの振るう体術は彼女の年齢にしては中々鋭く、組み合わせもバランスが良いものだった。

しかし俺に拳が届く程、彼女の技量は卓越していなかった。

「はぁ……はぁ……! なんで……当たらない、のよ……!」

「簡単なトリックだ。今のおまえは一撃一撃に重みを置いている分、一つの動作に対して隙が大きい。故に回避は容易い」

「年上だからって偉そうに……! 喰らえーっ!」

「フッ……ぬるい、ぬるい。そんな撃ち方ではかすり
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