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リリなのinボクらの太陽サーガ
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の年頃の男の子ってのは、そういう意地を持っちゃうものだからね。俺も昔はブイブイ言わせてたものさ!」

「…………」

そこから急に昔話が始まる……かと思いきや、横からクイントの手が伸び、ゲンヤの耳を強く引っ張った。ただ……クイントはアタッカー、つまり相当力が強い。敵を己の鍛えた力で薙ぎ倒す彼女がそんな事をすれば、その分凄まじい激痛がゲンヤの耳を襲うのも必然だった。

「いたたたたたッ!!? く、クイント!? 客人の目の前でこれは勘弁してくれ!?」

「なんかほっといたら延々と話しそうだったから、早めに中断しておいた方が良いかと」

「だからって耳を引っ張られると家人としての威厳が……!」

「あると思ってたの?」

「…………」

おい、そこで黙るのか大黒柱。この流れで目を逸らすな。言いくるめられたら余計家人の立場が悪くなるだろうが……。
とにかく俺は、この一件だけでこの家がかかあ天下なのを一瞬で理解した。後で労おう。

「じぃ〜……」

「じ、じぃ〜?」

「………クイント、さっきから見つけてくださいと言わんばかりに身を乗り出して、俺を見ているあの子達は?」

「あらら……ギンガ、スバル、こっちにいらっしゃい」

クイントに手招きされてやってきた二人の少女、ギンガとスバルが本来この家では異物の俺を警戒しながら、クイントの傍に寄ってきた。しかし疑問なんだが……世紀末世界で戦ってきた経験から、二人の体内から微妙に機械の音が聞こえていた。義手や義足といった代物とは違うみたいだが……何だ?

「紹介するわ、私の娘のギンガとスバルよ」

母親がそう言うと、ギンガとスバルは姉妹別々の反応で挨拶してきた。ギンガは明確に警戒してます、と言いたげな目で見てくるのに対し、スバルはどうも人見知りなのか、自分の名前を言うとすぐにクイントの背後に隠れ、こちらを伺っていた。

「露骨に嫌われてるな」

「いやぁ〜別に嫌ってはいないと思うわよ?」

「ま、一日だけ厄介になる身だ。害が無いのなら放っておいても良いか」

「ごめんね、二人も悪気はないのよ。ただ、家族以外の人間とあんまり会わせた事ないから緊張しちゃってるのよ、きっと」

「そうか。しかし……こっちの世界では子供を外に出さないものなのか?」

「いくら何でもそこまで過保護じゃないけど……ちょっと事情があるのよ」

「事情? それは二人から機械の音がしている事に関係があるのか?」

「ッ……!」

聞き耳を立てていたギンガとスバルが“機械”というワードにビクッと過剰に反応した。ゲンヤとクイントは見た目は落ち着いてこちらを見据えているが、瞳孔が少し泳いでいたから内心は驚いているのがわかる。

「はぁ……観測魔法とか集音マイクを使わ
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