第十五話 緒方中尉!!バスケと空軍の関係は知らん!その四
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「批判には実があるでごわすが」
「誹謗中傷、罵倒は違いますね」
「何もありませんね」
「それこそ」
「何一つとして」
「だから聞くに値しないでごわす」
これが西郷の意見だった。
「そして、でごわす」
「そういったものは言った者に返って来る」
「己にですね」
「他ならぬ自分自身に」
「返っていきます」
「他の誰にでもなく」
「そういうものでごわす、だからおいどんはそういったものには何もしないでごわす」
間違っても、というのだ。
「ましてや権力を使って抑えるなぞは」
「しませんね」
「それは我等日帝衆が最も忌み嫌うこと」
「権力、力は公の為にあるもの」
「決して私の為ではない」
「だからこそ」
「それはしないでごわす」
日帝衆の力を使い異論を封じることもというのだ、それが例え誹謗中傷や罵倒の類であろうともだ。これも西郷の理念だ。
「決して」
「左様ですね」
「だからこそ、ですね」
「我等は一切の反論を封じない」
「反論することがあろうとも」
「そうしたこともしない」
「そうでごわす」
まさにというのだ、そしてだった。
西郷は彼等にだ、こうも言った。
「悪は己に返るということはでごわす」
「我等もまたそうですね」
「因果は巡るもの」
「だからこそ」
「我等もまた」
「因果応報でごわす」
この世の摂理の一つだ、西郷はその学問からそのことを知っていた。それでここでこの古典の名前を出したのである。
「史記にもあるでごわす」
「司馬遷の、ですね」
「あの書にも」
「悪は己に返るものでごわす」
「李斯もそれで死にました」
「友人であり同門であった韓非を陥れた彼も」
「秦の宰相になりましたが」
「その結末は」
宦官趙高に陥れられありとあらゆる拷問を受け最後は腰斬とされた。人を陥れた者が最後には人に陥れられたと言うべきであろうか。
「そこにある通りですね」
「人はその行いが返って来るもの」
「それは我等も同じ」
「人であるのなら」
「このこと、心に刻みつけておくでごわす」
西郷は官僚達だけでなく己自身にも告げた。
「そのうえで責務に励んでいくでごわす」
「これからも」
「そうしていきますか」
「その通りでごわす、そして次は」
「はい、これよりです」
「源田元帥とハルトマン元帥を及びします」
ここで二人の名前が出て来た。
「あのお二人を」
「これより」
「お願いするでごわす」
西郷は官僚達に正対したまま告げた。
「おいどんはここにいるでごわす」
「はい、それでは」
「これより」
官僚達も応えてだ、そうして。
程なく彼等は退き彼等に呼ばれて二人が来た、西郷は自分に敬礼した二人に返礼するとすぐにこう言った。
「では、でご
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