12部分:第十二章
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二人は廃虚の中で静かに見詰め合っていた。そこだけが廃墟でなくなっていた。
「国破れて山河あり」
朝香は杜甫の歌の一節を口ずさんだ。
「だから。今は」
「私達は」
「一緒になろう」
朝香はまた言った。
「永遠にね」
「はい。やっとですね」
夕菜の目からは熱いものが流れていた。
「何か。ずっと昔から待っていたみたいな」
「私もだ」
朝香もまたその目から熱いものを流していた。二人はそのうえで見詰め合っている。
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