29話:LEVEL4-judgement genosider-
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人気のない場所で、殺人鬼は獲物を見つける。
性別は女。
歳は、おそらく自分よりも年下、中学生ぐらいであろうか。
周辺への警戒が強い。大神さくらのように年齢とは裏腹に修羅場を潜ってきた人間だろうか。
お陰で迂闊に手を出せない。
(いや、殺すのは出来たらでいい。今のところの目標は・・・)
彼女のデイパックだ。
殺人鬼、ジェノサイダー翔は一、二時間前ぐらいに起きた出来事を思い出す。
あの変態―――スパイダーマッと名乗っていたが、人間離れした動きをするほか粘着性の強い糸を生成し操る能力を持っていた。
自分は戦闘慣れしている殺人鬼とはいえ、突き詰めれば腐川冬子という"人間"でしかない。
生き残るためにはただ殺すだけでも駄目だ。
(かと言って、うちの冬子先生が仲間なんか作れるはずがないし)
ジェノサイダー翔は主人格の性格を思い出してその壊滅的なコミュニケーション能力を恨む。
無論ジェノサイダー翔が仲間を作る気があるかと言えばNOだ。作っても何かの拍子に腐川冬子に交代してしまったら確実に逃げられるか殺されるかでろくなことにならないし、そもそも殺人鬼である自分にそんなものが作れるとも思っていない。
まあ、実際にはこの会場には殺人鬼の家族なんてものがいたりするのだが。
そのため、今のところジェノサイダー翔が今後のために出来る事と言えば、ほかの参加者から強力な支給品を奪うぐらいしかない。
勿論奪うにしても脇差し一本では厳しい。そこでジェノサイダー翔は建築物のあるエリアを巡り、使える物を探した。
結果、武器として使えそうなものはなかった。正確には包丁やカッターなどの刃物はあったが脇差しより切れ味は悪かったのだ。一応果物ナイフなどの小さい刃物は投擲武器として使えなくもないので持ってきてはいるが。
しかし。
「おいテメエ! 死にたくないならデイパックを寄越しな!」
脅しに使える物なら見つけた。
それは、精巧なモデルガン。
立ち入った民家の書斎の引き出しの中にあったそれは殺人鬼ジェノサイダー翔ですら本物かと見紛うほどの完成度だった。素人が薄暗いところで見ただけではモデルガンだと判断することは不可能だろう。
それを少女に向かって突き付ける。
同盟を持ち掛けるふりをして近付いてもよかったが、今回は少女の警戒心が強いためそれは上手くいかない可能性が大きかった。
ならば最初から敵だと明かしていた方が疑いを持たれない間に仕掛けられる分成功率は高くなると判断した。
「な、なんですの貴女は?」
少女は突然出てきたジェノサイダー翔に一瞬怯え、その隙を突かれて接近される。
「いいから、支給品を渡せ」
それとも死にてえのか、と殺気を強めつつ銃をさらに前へと突き出しながら脅す。
少女は怯
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