29話:LEVEL4-judgement genosider-
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が出かかった。
それはおいといて、ジェノサイダー翔は冷静に今の状況を分析する。
目の前にいる少女の能力、多分物体をワープさせるとかそんなものだろう。
少女の姿が消えるのも確認しているし、瞬間移動も出来ると考えた方がいい。
自分を地面に縫い止めている二つの包丁と一つのカッターナイフはジェノサイダー翔が自力で外すことは可能だ。
ただ、それをしようものなら宣言通りあの血塗られたノコギリが身体に食い込むのは目に見えているし、奇跡的にそれを躱せたとしてもあの少女はまだ刃物を隠し持っているだろうし、体術の心得もあるようだ。
組伏せられているとかだったら関節を外すなどして逃れることは出来るのだが、今は指一本触れられずに脅されている状況。
微塵も動けないし、支給品に期待が出来るのならこんな状況になったりはしていない。
打つ手はなしか、と諦めかけたその時だった。
(あっ。あったわ、もしかしたらなんとかなるかも知れない方法)
ジェノサイダー翔は思い付く。
恐ろしく成功確率の低い、いやそれ以前にどうなったら勝ちなのかすら分からない賭けには違いないが、それでもほんの一瞬くらいは、目の前にいるツインテールの少女の意表をつけるだろう。
確実に一人に迷惑がかかるが、ジェノサイダー翔はこの際自分を信じることにした。
(こんな賭けでも、あのゴスロリは迷わず乗るんだろうな)
などと、共に学園生活を送った超高校級のギャンブラーを思い出す。
ごめん、と一応謝った後にジェノサイダー翔は行動に移す。
ふっ、と息を吹いて地面の砂塵を巻き上げる。
それがジェノサイダー翔の顔にかかり鼻をくすぐる。
「はっ‥‥‥」
「ん? なんですの?」
「くしっ!!」
ジェノサイダー翔は盛大にくしゃみをした。
そして――――――
「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」
大きな悲鳴を挙げた。
「な、なによアンタ! ひ、人を押し倒して、あああたしになにしようっていうのよ!」
あまりの豹変ぶりに風紀委員の少女は言葉が出なかった。
演技を始めたのだとしたら、さっき少女がやったものとは比べ物にならないほどのクオリティだ。
「あ、あのー」
「ひぃっ! なによあたしにそんな趣味は無いわよ!」
「貴女、さっきわたくしを殺そうと―――」
「―――!?」
サアアア、と。ジェノサイダー翔、いや腐川冬子から血の気が引いていく。正確には殺すつもりはなく、支給品を奪えば即トンズラするつもりだったのだが、腐川には知るよしもない。
「ま、まさかまたアイツが‥‥‥よりによってこんなときに‥‥‥」
どんどん青くなっていく腐川を
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