29話:LEVEL4-judgement genosider-
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えた声を上げて、慌ててデイパックを下ろした。
「わ、わかりました。で、でも食べ物や地図はご勘弁くださいまし」
懸命に懇願する。バトルロワイアルにおいて、確かに地図や食糧は生命線だ。無くしてしまったら生存は絶望的となる。
「‥‥‥わかった。アタシが欲しいのは支給品だけだしそれ以外は勘弁してやる。ただし妙な真似したら容赦なく撃つぞ」
「はい‥‥‥」
しゃがんでデイパックを開け、手を突っ込む少女。
まず取り出したのはノコギリだったが―――
「・・・誰か殺ったのか?」
「違います! わたくしが取り出したときにはもうこうなってて‥‥‥」
少女は必死で弁解を始める。今ジェノサイダー翔に殺し合いに乗ったと思われるのは危険だ。
そのノコギリは血で染められていた。
血塗れていたのだ。
血塗られた状態で支給されたらしい。
主催は何を考えているのだろうか。
「まあいい、さっさと残りを取り出せ」
「はい」
と、少女が答えた瞬間。
ジェノサイダー翔の持っていたモデルガンに一本の包丁が突き刺さった。
「な、あっ!」
突然の事に驚いたジェノサイダー翔は思わず少女から目を逸らしてしまう。
モデルガンが手から離れ、地面に落ちると同時に少女がジェノサイダー翔の前から消える。
呆気に取られるジェノサイダー翔はその一瞬後、背後から蹴りを喰らいうつ伏せに倒れた。
(なにが起―――)
ジェノサイダー翔の思考はヒュン、という擬音に遮られた。その正体を確かめようと音のした方に顔を向けると―――
「ひぃい!?」
セーラー服の袖を貫いて、一本の果物ナイフが地面に刺さっていた。
ヒュンヒュン、と音は立て続けに聞こえる。
反対側の腕の袖を、足と足の間のスカートをカッターナイフが包丁が貫く。
ジェノサイダー翔には傷はついていないが、その拷問じみた拘束術に彼女は大きな恐怖を抱いていた。
「ジャッジメントですの」
ジェノサイダー翔の目の前に立ち、風紀委員の腕章を見せる。
「しばらく拘束させてもらいます」
その様子は、先程の弱々しい少女とはまったく異なるものだった。
「ふ、ざけんな! こんぐらい?!!」
抵抗しようとしたジェノサイダー翔の前に、風紀委員の少女、白井黒子は先程取り出して見せたノコギリを突き付けた。
「妙な真似をすれば、次はこれを体内に直接打ち込みますわよ?」
ジェノサイダー翔は黙るほかない。
「しかし、世の中何が役に立つかわかりませんわね」
目線はジェノサイダー翔から一切離さずに白井は嘯く。
「学校でほんの少しやった程度の演劇も、捨てたもんじゃありませんわ」
‥‥‥連続殺人鬼を騙せる程の演技を教えているのか、お前の学校は。
そんなツッコミ
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