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ドリトル先生と学園の動物達
第十一幕その十一

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「僕は」
「だってねえ、言われる様なことだから」
「こうしたことは特にね」
「先生はこれまでこうした話とは縁がなかったし」
「それだけにね」
「余計によ」
「そういうことなんだね、まあとにかくね」
 先生はここでまた言いました。
「日笠さんとは一緒に神社を見て回ったよ」
「他にもね」
「他にも色々と回るんだよ」
「色々な場所をね」
「そうしてね」
「機会を見てだね」
 先生は皆に穏やかな笑顔のままで応えました。
「そうだね」
「そう、焦らなくていいから」
「とはいっても先生は焦る人じゃないけれどね」
 先生は決して焦ることはありません、どんなことでも。それが先生の特徴の一つであり長所の一つでもあります。
 動物の皆もそのことがわかっています、それで言うのです。
「まあそれでもね」
「そのことは気を付けてね」
「絶対に焦らない」
「落ち着いていこうね」
「日笠さんのことも」
「しかし。結婚とはね」
 それはとも言う先生でした。
「僕にとってはね」
「だからもう先生もいい歳だよ」
「立派な中年じゃない」
「油断していたら婚期逃すよ」
「待ったなしなのよ」
「そう言うけれどね」 
 どうもという感じでまた言う先生でした。
「想像出来ないな、僕は」
「じゃあ先生は今の状況を想像出来ました?」
 ここでトミーがです、先生に笑ってこう言ってきました。
「今日本におられる状況を」
「イギリスにいた時にだね」
「はい、そうしたことは」
「いや、王子とすき焼きを食べながら話すまでね」
 それまではすき焼きとも縁がありませんでした、今では先生の好物の一つともなっているお料理ですが。
「全くだったよ」
「そうですね、ですから」
「結婚もなんだね」
「想像出来なくて当然ですよ」
「その時にならないとなんだ」
「人間は未来はわからないです」
 それこそ誰にもです。
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