3部分:第三章
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れじゃ」
「詩ですか」
「まあ見ておれ」
また言う。
「これですぐに解決しようぞ」
「そこまで仰るのなら」
「御願いします」
客達も彼がそこまで言うのなら反論はなかった。李白は一人で橋に向かうが客達は彼を見に行った。そこには店の親父もいた。店を女房に任せて見物に出たのである。
彼が橋のところまで来るとすぐに蜃気楼が出て来た。赤と金で彩られた豪奢な楼閣の中で美しい芸妓や着飾った貴人達が酒や馳走を楽しんでいた。人々はそれを見てやはりといった様子で顔を顰めるのだった。
「やはり出て来たか」
「あの幻が」
「ふむ、やはりな」
皆は怪訝な顔をしていたが李白だけは違っていた。その幻を見ても相変わらず平然とした様子であった。
「これは間違いない」
「では李白様」
「どうされるのですか?」
「それはもう決まっておる」
彼等の声にはこれまで通りの返事であった。そうして橋の中央まで来るとまずは懐から紙を取り出しそこに筆で書きはじめた。見ればそれは詩であった。
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