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転生赤龍帝のマフィアな生活
四十九話:俺の幼馴染みがこんなに可愛いわけがない
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反射的に肘で攻撃をしようとするがすり抜けてしまう。


「ホログラム? いや、この感じは幻覚か。ということは……クロームのやつも来ているのか」


自分の妹までもがこんな事をしているのかと思うと思わずため息が出る。だが、この程度のことで恐怖を感じる俺ではない。せっかく、こんなとこまで来たんだ。本気で俺を怖がらせる演出でもして見ろ。クロームにとっても幻覚の練習になって丁度いいだろう。そんなことを考えたのがいけなかったのだろうか……。突如として目の前に再び別の幻覚が現れる。その幻覚は非情に見覚えのある姿だった。


(黒歌様の幻覚だと!? この妖艶さ……ゲヒ、クローム様も腕を上げられましたな)


そう、何故かカス猫の幻覚だった。クロームの奴、一体何考えてんだ。そう思っていた所でカス猫がいつかのように胸をさらけ出しながら近づいて来る。
この状態で最もやばい爆弾発言と共に―――


『ちゃんとお詫びはするにゃ……ベッドの上でね』


「ダーリン……覚悟はデキテル?」

「怖えっ! イリナが般若のような形相に! だれもこんなスリルは求めてねえよ!」


クローム! いくらなんでもこの仕打ちは酷過ぎるだろ。本気で俺を殺す気か!? 何でもお願いを聞いてやるから早い所やめてくれよ。そう叫びたいのだが、真横から放たれる凍り付く様な冷たい殺気に気圧されて言葉がまともに出ない。これが真の恐怖というやつなのか!? そんな時バンッと後ろから何かの仕掛けが発動する音が聞こえる。助かった!


「イリナ、何か出て来たぞ!」


音のした方に顔を向けるとそこには別のホラーでは大人気な道具が置かれていた。


「わお、気が利いてるね」


その道具の名前は―――チェーンソー。


「処刑道具まで用意してるとか本気で俺に何の恨みがあるんだよ!?」

「ダーリン、私、髪を染めようと思うんだ。色はね―――アカイロ」

「誰でもいい! 誰かこいつを止めてくれえええええっ!」

((((止めるなんてとんでもない、ドンドン来てください!))))


俺は必死にそう叫んで逃げ出そうとするが左腕が引っ張られて逃げ出せない。一体何なんだと思って左腕を見てみるとそこには今朝からつけっぱなしになっていた手錠があった。そこで、俺の頭は真っ白になる。そして超直感は告げている―――逃げられない。やばい、本気でやばい……とにかく、イリナを説得するしか道は無いと俺は半ばやけになりながら襲い来るチェーンソーの相手をするのだった。





あれはクロームの幻覚で、結局の所、カス猫は吹き飛ばしたと説明を一時間以上続けて何とか事無きを得た俺であるが疲労困憊の状態であることは否めない。


「ダーリン、なんだか疲れて
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