四十九話:俺の幼馴染みがこんなに可愛いわけがない
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
えがな。
「すいません、もし迷ってらっしゃるようでしたら私がお勧めのアトラクションを紹介しましょうか?」
振り返って見てみるとピンク色のウサギの着ぐるみが、俺達が悩んでいるのを見て話しかけてきていた。普通に考えればこいつは何かしらのマスコットキャラで係の人間が仕事で話しかけて来たんだろうが……どうにも俺がよく知っている金髪のシスターのような気がしてならない。というか、間違いない。声がそうだとしか言いようがない。
「アーシア……バイトか?」
「はう! ち、違います。私はアーシア・アルジェントなんて人じゃありませんよ。それにイッセーさんのデートの様子が気になってつけて来たわけでもありません」
「俺がいつ自分の名前を言った?」
「あうう……やっぱり嘘はつけません」
そう言ってションボリと俯くウサギの着ぐるみを来たアーシア。その姿は非常に可愛らしいのだが、まだ分からないことはある。俺達の様子を見に来たのはわかるんだがなぜ、ここの職員でもないのにこんな着ぐるみを着れるのかが分からねえ。まさか……。
「おい、イリナ。ここの名前はなんなんだ?」
「グレモリーハイランドよ」
グレモリー家の人間は一体全体何を考えてんだ……。いや、普通に人間世界での活動範囲を広げるための資金を集めるためかもしれねえが。とにかく、リアス・グレモリー達が一枚かんでいるのは間違いねえ。なんだ? 一体何の利益があるんだ。まあ……いいか。
「で、お勧めのアトラクションは何なんだ」
「あ、はい。たくさん面白いものがありますけど、一番はお化け屋敷です。私は……怖いから嫌ですけど」
「そうか、じゃあそこに行くか」
「お化け屋敷……つまり抱き着き放題ね!」
「やっぱ、代えるか」
そうは言うものの結局イリナに引きずられてお化け屋敷の前に出てくる俺。そしてかなり雰囲気の出ているお化け屋敷を見上げる。廃病院を改造したらしく死んだ人間の幽霊が出てくるという設定らしいが、実際に悪魔や天使と関わっている身にしてみりゃ、恐ろしいという事なんざねえ。
正直言って今隣に居る幼馴染みの方が何倍も怖い。そうして、お化け屋敷の中に入っていく俺とイリナ。薄暗い廊下をカツン、カツンと音を鳴らしながら歩いていく。
「イリナ、まだ何も出てきてねえのに抱き着いてくるな」
「ダーリン、あそこに何かいるわよ」
「話を聞け……と、確かに前の方になんかいるな」
何かボンヤリとしたものが俺達の前方にいるが遠くて見えないので二人で目を細めて何なんか確かめようとすると―――
『オレノアシヲカエセ』
後ろから突如として片足の幽霊が現れる。俺は超直感が働かなかったことに驚きながら
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ