四十九話:俺の幼馴染みがこんなに可愛いわけがない
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つもりだ?」
俺は変態を無視しながらイリナにそう尋ねる。今回のデートはイリナが主導権を握っているためにイリナがどこに行くかなども決めている。俺としては余りおかしなところにならないように祈るのに必死だったから自分で決めたかったんだがな。
「えっとね、何だか新しくアミューズメントパークが出来たみたいだからそこに行こうと思ってるの」
「そうか、じゃあ行くぞ」
俺がそう言って歩き出すとイリナも俺の隣に並んで歩き始める。こいつは俺が、実力が同列だと認める数少ない奴なので隣に立っても特に何も思わない。そして歩いていると何故か、チラチラと俺の手を見つめて来るイリナ。おかしい、普段のこいつなら俺の腕をへし折る勢いで俺の腕に抱き着いてくるはずなんだが。
(あれは色々な意味でご褒美ですよね、一誠様。痛みとお胸の柔らかさの二重の快感が生み出すハーモニーが最高です。出来れば黒歌様にもやっていただきたいです)
変態の言葉は取りあえず、スルーする方向で行くことにした。
安心しな、胃薬の用意は万全だ。
「ね、ねえ、ダーリン」
「……なんだ?」
「手を……繋いでもいいかな?」
若干、遠慮気味にイリナは顔を赤面にし、照れながら言う。……本当にどうしたんだこいつは? なんでこんなにも可愛い―――ゴホン、普段と違えんだよ。もしかすると正常の人間に戻ったのか? そうだとするなら、手を繋いで何の問題もねえだろうな。
「主導権はてめえにあるんだ。勝手にしろ」
「ホント!? 大好きダーリン♪」
本当に嬉しそうな笑顔を見せながらカチャリと俺の腕に手錠をはめるイリナ。この時点で俺の思考は止まって唖然として口を開ける。そんな俺の様子を気に止めることもなく自分の腕にも手錠をはめると嬉しそうに抱き着いて来るイリナ。
「今日は離さないからね、ダーリン」
訂正するぞ、どこまでいってもこいつはヤンデレだった。
アミューズメントパークに着いて中に入るとそこには絶叫マシンやコーヒーカップやメリーゴーランドなど、知っているアトラクションは全て揃っていた。まあ、マフィアランドにも大体揃ってるけどな。
「さてと、適当に回るか」
「うーん、これだけ一杯あると悩んじゃうね。私、ずっと教会に居てこういうところあんまり来たことないし。その代わり、教会に居る人達とよく組手をしてたけど」
よし、最後の言葉は聞かなかったことにするぞ。その結果がミカエルのバイブレーション機能搭載という結果になったのだとしても俺は知らねえ。ゼノヴィアが教会内部で防波堤の役目を担っていたという悲しい事実も俺は知らねえ。結局の所、こいつの面倒は俺が見るしかねえのか……嫌というわけじゃね
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