第五話
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。
「うわあ!?何!?」
よく見ると、深雪の右足にロープが絡みついており、それにより彼女は逆さ吊りの状態となってしまっていた。
「何これ!?」
「罠、みたいだけど・・・」
突然の事態にその場に居た艦娘達は困惑する。
「大丈夫でござるか!?」
そこへ、どこか忍者っぽい雰囲気の紺色のヒカリアンが姿を現した。
「ええと、あなたは?」
そのヒカリアンに吹雪型駆逐艦のネームシップである吹雪が尋ねた。
「拙者は南海ラピート。この森の奥に屋敷を構える忍者でござる。」
「忍者!?」
「で、その忍者が何の用なのよ。」
吹雪が驚愕する中、吹雪型の中では変わり種に分類される叢雲が聞いた。
「実は、そこのお嬢さんがかかっている罠を仕掛けたのは拙者なのでござる。」
「はあ!?何でそんな事をしてんのよ!!」
「先程言ったでござるが、拙者はこの森の奥に屋敷を構えているから、外敵を防ぐ為に罠を仕掛けてあるのでござる。ただ、この時期になるとキャンプに来る旅行者が誤って罠のある所に入ってしまう危険があるので立ち入り禁止の看板を立ててあるのでござるが、昨日の嵐で吹き飛ばされてしまったのでござる。」
「そう言う事。なら、しょうがないわね。」
ラピートの説明に叢雲は納得したようだった。その時、吹雪の頭にふとした疑問が浮かんだ。
「あれ?ラピートさんは家の周りが罠だらけの状態なのに、外に出かける事はできるんですか?」
「それなら、大丈夫でござる。この森の中にある罠の場所は全て覚えているでござるからな。」
「流石は忍者。全くぬかりは無い。」
「おーい!はやく降ろしてよ!!」
皆がラピートと仲良く話している中、逆さ吊りの状態のままの深雪が叫んだ。そんな彼女に叢雲は・・・
「まあ、よく考えたら深雪にはいいクスリだし、暫くそうしてなさい。」
「そんな〜!!」
その後、吹雪達の入った森の前に折れた立ち入り禁止の看板を見つけた第六駆逐隊がその場に駆け付け、電が宙吊り状態の深雪とぶつかると言うハプニングがあったが、なんとか深雪は救出された。
「あたたた・・・」
「大丈夫なのですか、深雪ちゃん?」
赤く腫れた鼻を抑える深雪を心配して電が言った。もっとも、そう言う彼女も額が赤く腫れているのだが。
「いや、これ自体は大した事無いんだけどさ・・・ぶつかる直前になんか走馬灯的なモノが見えちゃったんだよね・・・」
「大袈裟・・・とは言えないわね。この組み合わせだと。」
深雪の話を聞いた暁が苦笑した。
かつてただの艦だった頃の深雪は訓練中、電に衝突されて沈んでいるのである。
「まあ、それより早くキャンプ場の方に戻りましょ
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