始まりの日
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「今から重要な話をする、お前の将来にも関わる大事な話だ」
そう前置きをした後、
「……今まで黙っていたが、私は神だ」
と、言った。
「は、はい」
「? もっと反応は無いのか、少しは驚くと思ったんだが」
「いや、特訓を始めた時には気づいてましたよ」
「なんでだ?」
「いや人間にあんな動き出来ませんよ。それに折れてた手も翌日には治ってましたし、あ、小父さんちょっとおかしい人なのかなと思ってたぐらいです」
「少しは驚くと思ったんだがな。お前は本当に変わっているな」
「おじさんのせいだと思うんだけど、なんていうか価値観が違うというか」
おじさんはいつもの不機嫌そうな顔に戻って、
「それもそうか、まぁ理解してくれるのが早い分には助かる。何しろことは急をせいしているからな」
と、言った。
「まず神の説明をしよう。知っての通り神は常人の力を超越した存在だ。しかし神話の中だけに存在する存在だ。しかしこの世界にはまつろわぬ神という人が紡いだ神話に背き、自由気ままにさすらい災厄を起こす神も一定数いる。かくいう私もその一人だ。神は神どうし戦ったり、カンピオーネと呼ばれる魔王と戦ったりする」
それがどう関わってくるのだろうか。今までにそんなことは無かった気がする。
「今まではどの神も俺に関わろうとしてこなかったんだが、ついに神がこの地に降臨する」
「それは、小父さんが戦うってこと、だよね」
嫌な予感がしたので聞いてみたところ、
「違うぞ、おま……」
「あーーー、聞きたくない、聞きたくなーい」
無理だよ、僕にはできないぞ。
小父さんにも勝てないんだぞ、それに小父さんは手加減してくれているからいいものの初めて会った神が僕に手加減してくれるわけ絶対ない。
「俺はあらゆる生物を殺せない呪いをかけられているから出来ないが、お前なら賭けとか強いし殺せると思うんだが」
「いくらなんでも無理だよ、荷が重いしできないよ」
大体無茶苦茶すぎる。歴戦の勇者ならともかく、少なくとも9歳児にかける言葉ではない。
「わかった、俺の加護をつけてやるから」
「……わかったよ、できるところまではがんばってみる。出来なかったらすぐ逃げるからね」
僕は渋々神との戦いを引き受けた。
僕はそう言って神と戦わなければならなくなってしまった。
なんとかなるだろうと楽観視していたのだろう。
僕はまだ知らない
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