レフィアの憂うつ
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ような小さい羽をパタつかせて、モーグリは忙しそうに宿屋を出て行く。
サラ姫からかぁ、まあ、そうよね………。あたしは思わずため息をついた。
イングズの事を心配してか、近況報告か、恋文かしらねぇ。
─────そんな事を考えてたらふと、あたしの手は自然と手紙の封を切るような形をとってしまう。
何やってんのかしら、こんな事しちゃいけないのよ、人の手紙を勝手に読もうとするなんてっ。
でも、気持ちとはウラハラにあたしの震える手は封を切ろうとしてる。
頭が、熱くなってきたわ……。とうとう、熱も上がってきたかしら………
「 ────何をしてるんだ、レフィア」
あら……? 出掛けたはずのイングズの声が聞こえる。幻聴かしら────と、首を横に向けたらそこには怪訝そうに佇むイングズが。
「ひゃっ、どど、どうしたの……!?」
「宿屋の方に向かって行くモーグリを見かけてな………もしやと思い、ルーネスとアルクゥを先に行かせ、戻って来てみたんだが────その手に持っているのは、君宛の手紙か?」
「えっ? あ、これは………あ、あなた宛の手紙よ! 戻って来たら渡そうと思ってたけど、いきなり帰って来るからビックリしちゃった……!」
「今、手紙の封を切ろうとしてなかったか?」
やだ、バレてる……っ。恥ずかしさと申し訳なさで顔が熱くなって、意識がもうろうと─────あ、もう、ダメ。
「レフィア……!? しっかりしてくれ………!」
『ダメ……ダメよイングズ、あなたにはサラ姫が─────』
『いや、違うレフィア………私には、君が必要なんだ─────』
抱きすくめられたあたしは、イングズのフェイスに引き寄せられて─────
「いいのかレフィア………このままだとおれ達、キスっちまうぞ?」
「 ─────えっ?」
気がつくと、イングズの端正な顔立ちじゃなく、まだ子供っぽさの抜けきらないルーネスの顔が、目の前に……?!
その表情はどこか呆れた様子で、あたしは訳が分からなくなってサッと身を引いた。
「な、何であんたが傍に居るのよ……! あたしの事よりメシの方が大事なんじゃなかったかしらっ?」
あら……? そういえばあたし、いつの間にベッドに─────
「メシならとっくに食ってきた。……ってかもう昨日からひと晩経ってるぜ?」
ルーネスに云われて窓の方を見ると、まだ夕方だったはずが朝日が射し込んでる………? あたし、あれからずっと意識無かったわけ!?
「……あら? そういえばイングズは──── 」
「あいつなら始めの内、倒れたレフィア見てたけどおれとアルクゥが代わってやって、サラ姫に手紙の返事書きに一人で別の部屋にこ
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