アインクラッド編
2.第一層ボス戦
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「くっ・・・!!」
少年の声が聞こえる。ぐいっと首根っこを掴んで後方に大きくジャンプするが、間に合わなかった。イルファングが垂直に飛び上がり、ぎりぎりと力を溜めていく。
「う・・・おおおッ!!」
鋭い叫びをあげ、少年剣士が凄まじい勢いで飛び出した。片手剣ソードスキル、確か《ソニックリープ》が、獣王を地に叩き落とす。
「ぐるうッ!!」
背中から地面に叩きつけられて、イルファングは手足を暴れさせる。俗に言う、転倒。
「全員―――全力攻撃!囲んでいいい!」
「く・・・おおッ!」
これまでガードに専念させられた鬱憤を、俺達は一気に爆発させた。両手剣2連撃《ブラスト》、その他多様なソードスキルがボスのHPをがりがり削っていく。
ソードスキルによる攻撃後硬直が解けた瞬間、イルファングが起き上がった。もう一度、俺達は予備動作に入る。
再びソードスキルの光と音がボスを包み、少年剣士が放った片手剣2連撃《バーチカル・アーク》が止めを指す。1人のプレイヤーの剣士の命を奪ったボスモンスターは、青いポリゴン片となって消えた。
俺達の目の前に獲得経験値やこの世界のお金であるコル、そして《Congratulation!》の文字が浮かび上がった瞬間、うわあっ!という歓声が弾けた。ふっと俺は溜め息をつきウィンドウ、少年に声をかけた。
「お疲れ」
「え・・・あぁ、サンキュ」
続いてエギルも声をかけて、ぐいっと握った拳をつき出した。少年がそれに答えようと右手を上げかけた、
その時だった。
「―――なんでだよ!!」
突然の叫びに、広間が一瞬で静まり返る。俺も声のした方向を振り返った。
叫んだのは、シミター使いの男らしかった。しんと静まった空気を全く気にせず、さらに叫ぶ。
「―――なんで、ディアベルさんを見殺しにしたんだ!」
その後男が話した内容は、俺にとって全く理解できない代物だった。少年はボスの使う技を知っていた。それをディアベルに話していれば、彼は死なずに済んだんだ、と。
それを聞いた瞬間、俺は思わず声を出していた。
「なぁ、アンタ何言ってる?」
「な、何って・・・!」
「今俺達が生きているのは、あいつのおかげじゃないのか?だいたい、ボスをよく見もせずに1人飛び出していったディアベルにも責任があると俺は思うが?」
「んな・・・お、お前・・・!」
ぎりぎりと歯を食い縛り、また何かを叫ぼうとした。だが、声を張り上げたのは違う男だった。黒髪の剣士に指を突きつけて叫ぶ。
「オレ・・・オレ知ってる?こいつは、元ベータテスターだ?」
そこから、話はどんどん変わっていく。ベータテスターの事から、攻略本の真偽へと。
嫌な流れに、今まで我慢していたらしいエギルや女性の剣士、もちろん俺も
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