第椅子取話 弐
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イント取得しました』
「あの洞窟、結局4ポイントしかなかったね……」
「初期地点にそれだけあればめっけもんさ」
「それはそうですけど……」
洞窟から這い出るとそこは林らしく、木々でとても見通しの悪い場所だった。洞窟エリアで待ち構えていてもよかったが、あそこは隠れる場所がなく待ち伏せには向かない。というか、誰も来なくて待ちぼうけをくらいそうだ。
そのまま、ショウキたちは林エリアの探索を始めていく。すると、早くも植物の弦に絡まっている椅子を発見するも……どうも怪しい。先程洞窟で、座った瞬間に上からツララが降り注ぐ罠を体験したメンバーは、どうしても二の足を踏んでいた。
「……俺が行こう」
念のため、メンバーの中で最も防御力が高いエギルが、ゆっくりとそのイスに座っていく。周囲の植物がどう動いたりするか警戒していたが、座った瞬間にイスに絡みついていたはずの蔓がエギルの足に絡みつき、そのままエギルを宙吊りにせんと引っ張り上げた。
「そこ!」
しかし、体格が巨大なエギルのアバターを持ち上げるのは時間がかかり、その隙にショウキの斬撃が植物の蔓を斬り払う。エギルは前につんのめった程度で済むと、首をコキコキと鳴らしながら立ち上がった。
「ったく、昔の忍者の罠かっての……ん?」
ブツブツと外国人とは信じられない――自称江戸っ子ではあるが――愚痴を吐くエギルだったが、何か違和感を感じてある一点を見つめだした。
「どうしたエギル?」
「いや……なんかよ、木が増えてねぇか?」
『高所エリア。ルクスが1ポイント取得』
「……で。何なのそれ?」
砂浜エリア。まだ1ポイントも取れてないリクヤたちのチームは、腕時計から出て来た小さなホークのことを眺めていた。
「つまり、ホークはアイテムで情報屋やってるってことか?」
「まあ、そういうことになる」
いきなり飛び出てきたホークのホログラムから話を聞くと、どうやらそういうことらしい。ホークもまた、別のバイトの頼みを受けてこの仮想空間のバイトをしており、情報屋としてこの腕時計を手に入れたチームに協力する、と。
「今のチームのポイント数、他のチームの現在位置、当たりのイスの位置……情報一つ、1000ユルドだ」
「って金取るのかよ!」
「当たり前だろ!」
リクヤの鋭いツッコミに対して、ホークの開き直りに近い叫び声が響く。もちろん《情報屋》という立場からして、金は取る。金を取らなくては情報屋ではない。
「って言われてもよ……武器しか持ってないから、お金なんてないぞ?」
「借金だナー」
「ちょっとリクヤ、その腕時計頂戴。割るわ」
またもや似てない物真似にリズがメイスを構えるが、リ
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