第椅子取話 弐
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連絡を最後に、そこから動くことは出来なかった。
「――自分たちがしていることは相手もしている、と考えた方がいい。斥候ならば尚更だ」
――何故なら彼が最期に感じたことは、背後から聞こえたその少年の台詞と、風が刃となって自分を襲うかのような感覚だけだったからだ。
「遅かった……」
リーファとルクスが連絡があった場所にたどり着いたものの、時すでに遅く、その場所には誰もいなかった。マサキやシリカどころか、レコンの姿すらも。
『チームA。エギルが洞窟エリアで2ポイント取得』
再び世界にメッセージが響き渡る。どうやらイスには1ポイントだけではなく、ポイントもそのイスごとに違うらしい。
「どうするリーファ。シリカたちを追うか、洞窟の方に行くかい?」
「……いや、一旦ちょっと落ち着きましょ。何だか慌ててたわ」
リーファは一旦パシンと自分の顔を叩くと、深呼吸して落ち着いていく。レコンには後で謝ろう――と思った後、リーファとレコンは高所エリアの探索を始めた。
『高所エリア。リーファが2ポイント取得しました』
「これが最後のイスか……」
砂浜エリア。鳴り響くシステムメッセージを無視しながら、延々とイスに座っては立ち上がりを繰り返していた面子だったが、ようやく砂浜を最初から最後まで制覇し、残るはあと一つだけとなった。このイスに何もなければ……これまでの時間はまるで無駄、ということになる。その三人は、あまり考えないようにしていたが。
「よ、よし……座るぞ……!」
今までの人生の中で最も高い、イスに座るためだけの緊張感と心拍数をもって、リクヤが万感の思いを込めて最後のイスに座る。
しかし、なにもおこらなかった!
――という訳ではなく。リクヤの前にあるシステムメッセージが表示された後、リクヤの手に茶色い腕時計が装備されていた。
「アイテム取得……?」
リクヤの前に表示されたシステムメッセージをユカが読み上げる。これはポイント取得メッセージのように、世界全体に配信されている訳ではないらしく、あくまでリクヤたちの前のみらしい。
「アイテムって……これか?」
リクヤの腕に装備された茶色い腕時計……腕時計とは言うものの、進んでいないどころか長針も短針もなく、おおよそ時計としての役割を果たしていなかったが。SAO時やALOのアイテムは持ち込んでいない以上、それがそのアイテムとやらなのは明白なのだが。試しにリクヤは、その腕時計にあったグリップを握ってみると、その腕時計から光が放たれていく。
「毎度あり、だヨー」
――すると。どうも似てない師匠の物真似をしつつ、《情報屋》ホークのホログラムが腕時計から出現した。
『洞窟エリア。ショウキが2ポ
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