6部分:第六章
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「そう思うべきだ」
「オズワルドの強さはかなりのものなのは聞いた」
ホークムーンの言葉には最早何の余裕もなかった。
「そしてあの剣はだ」
「龍すらも倒すか」
「それだけではない」
その龍である彼の言葉である。
「国すらも一日で滅ぼしたことがある」
「国を滅ぼすってのは聞いていたが」
「一日なのか」
「そうだ。一日だ」
この一日という時間が彼等の中で繰り返され強調されていく。まるで聖典の言葉の如く。
「一日で滅ぼしたのだ。一人残らずな」
「だとするとこりゃまずいな」
「僕達も腕には自信があるが」
「しかしだ。止めなければならん」
ホークムーンはまた覚悟を決めている言葉で述べた。
「あの男だけはな」
「さもないと世界がってわけか」
「そうだ。モートはその剣で多くの国を滅ぼしてきた」
今度は国を滅ぼしてきたということが述べられた。
「それがまた世に出れば」
「しかも操るのがあのオズワルドなら」
「想像するまでもないということか」
「何があっても止めなければならん」
彼等はそれぞれ述べた。
「だからだ。行くぞ」
「ああ、わかってるさ」
「何があってもな」
彼等は意を決して洞窟の中に入った。既に死は覚悟している。そうして中に入っていきやがてその奥に辿り着いた。するとそこにいたのは。
まずは無数の悪霊達だった。そしてその中央に黒く禍々しく光る巨大な剣を両手に持ちそれをその不気味に宙を舞い続ける悪霊達に対して振るう紅い目の男がいた。ホークムーンは剣を振るうその男を見て二人に対して問うたのであった。
「あれが赤眼のオズワルドだな」
「そうだ。あいつだ」
「あれが赤眼のオズワルドだ」
「そうか。やはりな」
彼こそがオズワルドと聞いてまずは納得して頷いた。しかしであった。
「だが。それでもだ」
「何故ああして悪霊達と闘っているかか」
「うむ」
ホークムーンが問いたいのはそこであった。
「あれは何故だ?」
「それは俺にもわからない」
「僕にもだ」
オズワルドは決死の顔で自身の周りに漂いそうして次々に襲い掛かって来るその悪霊達と闘っていた。悪霊達は切られれば姿を消すがまたすぐに新しい悪霊が出て来て彼に襲い掛かる。そうしてその身体に少しずつだが確実に傷を付けていくのであった。
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