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魔法少女リリカルなのは ―全てを変えることができるなら―
第七話
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だった。

「……やっぱり言わなきゃ、ダメですかね?」

 精神的に余裕がなくなり、なぜか敬語になったが、皆はお構いなしに沈黙しながらこちらを見つめた。

「……稀少能力の一つ/『ネクサス・コネクト』」

 三人の朝我を見つめる目が大きく見開いた。

 魔導師の中には、稀に異質な能力を持つ魔導師が生まれることがある。

 その能力を稀少能力(レアスキル)と呼ぶ。

 朝我は一巡目でなのは達を失った際、三人のデバイスを受け取っていた。

 そしてデバイスに残された持ち主の魔法データをネクサスに読み込ませ、朝我の魔法術式と組み合わせることを可能にした。

 もちろん当初は術式同士がぶつかり合い、肉体に激しい激痛が走るなどの副作用が出た。

 それを八年間、彼は努力して使いこなせるように努力した。

 そうして手にしたのが、なのは達との想いを繋げる稀少能力/ネクサス・コネクト。

「どうして黙ってたの?」

 なのはの問いに、朝我は本当のことを言えるはずもなく、納得されるような嘘をついた。

「こんな能力が知られたら、人体実験やらモルモットやらにされる気がしてな。
フリューゲル・ブリッツだってギリギリなんだから、ネクサス・コネクトなんて知られたら……な」

 俯き、暗い表情を作ってみると、三人はその嘘を本気で信じ、ああ……と納得いった様子で頷いてくれた。

 その素直さというべきか、自分の演技力のよさが強い罪悪感を生み出すのだが、朝我はそれを胸に押さえ込んで話を続ける。

「今回使ったのは……ティアナとスバルに伝えたいことがあったから。
俺、言葉じゃ何もできなかったから。
言葉だけじゃ、何も伝えることができなかったから。
だから俺の全力で伝えたかったんだ」

「……そういう所、なのはによく似てるね」

「ふぇ!?」

 フェイトの言葉に、ヴィータはああ〜と納得した様子で数回頷き、なのはは間抜けな声を上げて驚いた。

「そ、そんなことないよ!」

「い〜や、なのはにそっくりだね」

 否定するなのはをさらに否定するヴィータに、朝我とフェイトは笑みをこぼした。

 実は朝我も、ティアナ達とぶつかると考えたのは、一巡目のなのはのことを思い出していたからだった。

 彼女はいつだって全力でぶつかってくれた。

 後先なんて考えず、今困っている人のために全力を尽くしてくれた。

 その姿を思い出して、自分もそうあるべきだと思ったから戦う道を選んだ。

「……ありがと、なのは」

「ん、何が?」

「え……ああ、いや、何でもない」

「?」

 ポツリと心に思っていたことが言葉に出た朝我は、慌てて首を左右に振った。

 油断した自分を心の
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