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魔法少女リリカルなのは ―全てを変えることができるなら―
第七話
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「それは違うぞ――――スバル」

「え……」

 ゆっくりと消える爆風の中から、朝我の声が聞こえた。

 朝我は刀を横に振るい、爆風を振り払った。

 BJはボロボロに破け、あちこちから肌が露出していた。

 左手からは相変わらず血が流れる姿から、スバルはようやく理解した。

 ――――朝我はティアナの攻撃を、一発足りとも防いだりしていない。

「二人とも、ごめん。
本当はこうして、ぶつかり合うべきだったんだ」

 朝我はそう語りながら、刀を天に掲げる。

「本気で想いを伝えたいなら、自分の想い、全部込めて……ぶつけるべきだった。
なのに俺、みんなに隠してることがあって、それを引け目に感じて、何も伝えられちゃいなかった」

 彼の足元を中心に広がる、銀色三角系の古代ベルカ式魔法陣。

 それに重なるように、桜色の円形魔法陣/ミッド式魔法陣が展開された。

「ティアナ、強くなりたい気持ちは痛いほど分かる。
勝利に焦る気持ちだって、痛いほど分かる。
でも、それってこの場所で出さないといけないことか?」

 朝我の真上に銀色と桜色、二色の魔法弾が弾幕となって出現する。

 その数は十では桁が足りない数。

 さらに弾丸は風船のように膨らんでいき、百を超えた二色の弾丸は巨大な隕石となっていく。

「なに、よ……それ……っ」

 ティアナが、いや……この光景を見た誰もが絶句した。

 中遠距離戦に関してはトップクラスの実力を持つ高町 なのはですら、空中に展開させる弾幕の数には限りがあり、増やせば増やすほど、小さな魔力弾になる。

 それだけ消費する魔力が多いのだ。

 しかし朝我は、なのはの倍以上の弾幕を倍以上の大きさで展開させてみせた。

 それはつまり、高町 なのは以上の実力を秘めていると言うこと。

 誰も……スバルやティアナすら、彼がそんな実力を秘めていることに気付かなかった。

 だから絶句する。

 朝我 零の持つ、本当の力に――――。

「これは、俺が八年かけて手に入れた力。
八年間、ずっと……ずっと苦しくて、辛くて――――でも、それをずっと歯を食いしばりながら耐えて、手に入れたんだ」

 本来、朝我の始まりの世界(ダ・カーポ)の力を持ってすれば、なのは達を失う直前の時間に飛ぶことだって出来た。

 むしろそうすれば、人体への負担も軽減させることができたのだ。

 だが、それでは守ることができないことに気づいた。

 自分は弱く、何も守ることなんてできないのだと気づき、だから選んだ。

 彼女達の傍で、彼女達の笑顔に、後悔の苦しみに耐えながら、強くなるという道を選んだ。

 地道に、そして確実に力をつけて、迫る運命の日
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