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魔法少女リリカルなのは ―全てを変えることができるなら―
第七話
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、ぶつかり合う隙にティアナは朝我の背後から特攻を仕掛けてきた。
その光景は、遠くで見ていたなのは達が驚く行動だった。
ティアナの武器は中遠距離からの狙撃、それを優位にさせるための知恵と幻術である。
逆に近接戦を苦手とし、それを補う形でスバルがいる。
なのでこのタイミングで本来のティアナであれば、背後からの狙撃をするはずだった。
だが、彼女はそれに納得しなかった。
求めたのは新たな戦術、新たな力、そしてそこから得る勝利。
そのために今までのスタイルを削り、新たな戦い方を入れた。
ティアナの持つ二挺拳銃型のデバイス/クロス・ミラージュの銃口から伸びる魔力刀。
短剣サイズのそれを両手に握り、朝我の背後からティアナは斬りかかった。
近距離戦のために覚えた、クロス・ミラージュの新たな可能性と答えだった。
「強くなるって……そういうことじゃねぇよ」
掠れる声で、朝我は呟いた。
同時に朝我は刀に力を込め、スバルの一撃を押し込み、懐に回し蹴りを入れて先のビルまで蹴り飛ばした。
そのまま振り返り、ティアナの放つ刃を空いてる左手の指と指の間に挟んで受け止めた。
「え――――ッ!?」
「ティアナ、それじゃダメなんだ!」
指間から血が流れる中、朝我は悲痛な表情でティアナを見つめる。
しかしその表情は、受け止めている魔力刀の痛みではなく、心の痛みからくるものだった。
「強くなるって、そんなやり方じゃダメなんだ!」
「なんでそんなこと言えるの!?
アタシは、強くならないといけないの!」
そう言ってティアナは後ろに下がり、ウィングロードの上に着地して銃口を向ける。
カートリッジが弾け飛び、銃口に魔力が集まっていく。
「最初から一人だったアンタに、アタシの何が分かるって言うのよ!!」
怒り、叫び。
強い感情が混ざった弾丸が、朝我目掛けて放たれ、そして爆発した。
「ティア……」
隣のビルの上で、スバルは感情のままに戦うティアナの姿に、悲痛な表情になった。
彼女の気持ちも、痛みも、全部知っていた。
そんな表情を見せないために、強くなろうと思ったにも関わらず、結局彼女のその表情を見てしまった。
朝我はずっと、そうさせないように、そうならないように、ずっと訓練をやめさせようとしていた。
今思えば、そっちの方が正しかった。
彼と同じように、無理矢理にでもティアナを止めるべきだった。
そうすればきっと、こんなことにはならなかった。
親友のティアナが、同じ親友である朝我とこんな形でぶつかり合うことにはならなかった。
「アタシのせいで……」
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