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第四十四話 二次移行
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白になるように……。
今は彼の正の感情が力となる。そしてそれは彼の機体である天照へも進化を促した。
二次移行……新たな力の発現である。
一夏のもとに向かう箒を一瞥し、すぐさま自身は海上へと浮上する。
『貴様、なぜ……それにその姿は……』
すぐにエムの声が聞こえてくる。
彼女が指摘したように、紫苑の姿は先ほどまでとはやや変化している。
その身を纏っていた装甲は、今まででも通常よりは薄い程度だったにもかかわらずさらに薄くなった。肩部は露出し、腕部も肘まわりに薄い布のようなものがある程度。スカートタイプの装甲は相変わらずであり、もはやそれは鎧というよりもドレスのようである。それでいて淫靡な妖艶さは感じられず、むしろ神々しい雰囲気を纏っている。
また一方で、背後のフィンがやや大きくなり薄い光を発していた。
自身の姿を客観的に見ていないため今は平気だが、後に紫苑が悶絶するのは間違いないくらいにその姿は美しかった。
『まぁいい。もう一度墜とすまでだ!』
海に沈んだはずの紫苑が再び現れたことに一瞬動きを止めたエムだったが、すぐさまそう言い放ち攻撃に移る。
スターブレイカーとビットによる同時攻撃。以前のセシリアのように同時行動ができないということはなく、完全にビットを制御しながらの本体との波状攻撃だ。
しかし、今度こそエムは驚愕することになる。
紫苑が背後のフィンで自身を包み込み、その後にエムから放たれた光線を振り払うように動かす。すると、彼に殺到した全ての光線が……弾かれたようにあらぬ方向へと拡散していったのだ。
『なっ!?』
自分のすぐ横を掠めるように通り過ぎる、自身が放ったはずの光線。
『八咫鏡』、二次形態で新たに使用可能となった武装である。その性質はまさしく、鏡。光学系攻撃やエネルギー波など実体を持たない攻撃の反射だ。
『馬鹿な、リフレクトシールドだと!?』
ある意味で、エムが狼狽するのは当然なのだ。防御用の武装というのは確かに存在するし、エム自身も使用可能である。だがそれはシールドタイプであり、あくまで威力を減衰したりあるいは無効化するものである。リフレクトシールド自体は、第三世代機用の装備として理論上は可能ということで構想はあったものの、実用化には至っていないはずだったのだ。
それが今、存在する……ブルー・ティアーズやサイレント・ゼフィルスのように光学系が主武装となる機体にとってまさしく天敵といってもいい武装だった。
そんな八咫鏡だが、当然万能ではない。反射位置を思い通りにするには、膨大な演算能力が必要であり戦いながらそれを行うのはまず不可能だ。先ほどエム
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