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英雄は誰がために立つ
Life11 聖書の子らの新たなる道 −赤VS白− −不敗VS逆転劇−
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・・・何、を――――)

 そうして異形と化していた“叛逆の英雄”は、消滅間際に狂気の渕から脱出した後に煌びやかな光と共に霧散して消えて行った。
 それを見送り一息つこうとした処で、黒い闇の中に逃げようとしている“誰か”とヴァ―リの姿を視界に居れた。
 最早頭分しか見えないので、縮地でも瞬動でも間に合わないと判断した士郎は、未だに消していなかった絶世の名剣(デュランダル)を全速力で投げ尽きた所に――――。

 「――――壊れる幻想(ブロークン・ファンタズム)!」

 絶世の名剣(デュランダル)の内包された神秘を爆発でぶつけたものの、手ごたえは薄いと感じた士郎。
 現に、爆発させた地点の煙が晴れるとそこには、なかなか大きいクレーターが出来ていた。
 相当な手ごたえが感じられたら、クレーターの規模はもう少し小さい筈だからである。

 「む・・・・・・逃げられたか」

 何とも締りの悪さに嘆息するも、会談自体は成功している上、此方側に死者は誰も出ていない様なので納得する事にした士郎。
 そんな冷静な観察をしながらも士郎は、此処に居る家族の1人であるゼノヴィアの無事を確かめに、足を前に進めるのだった。


 
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