四十六話:君へと捧げる鎮魂歌
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んだと、黒歌達は第三者であるにもかかわらず思わず思ってしまう。そして、アルヴィンのどうするという問いかけにジュードは手伝いに行くと答える。さらにルドガーも。
『俺達も手伝うよ。なあ、ミラ』
『え? 私も?』
『ミラー』
まさか自分も呼ばれるとは思っていなかったのかポカンとするミラ。そんなミラの手をエルが引き、ルルが促すように鳴く。ミラはそんな様子に苦悶の表情を浮かべて悩んでいたがやがて折れてわかったと言った。しかし―――
『中途半端な同情が一番……』
その苦しみから解放されたわけではない。ルドガーに同情ならやめてくれとばかりに吐き出し不安げにその瞳を揺らす。
『同情なんかじゃない、俺は君の事を本気で……』
ルドガーはそんなミラの言葉に聞こえないように小声で何かを呟きガイアスに合流するため、調印式が行われるマクスバードへと足を向けた。その時のルドガーの顔がミラと同じぐらい酷く苦しげで切なかったのを黒歌達は傍にいけないことを悔しがりながら見つめる事しか出来なかった。
『来たか』
ルドガー達がマクスバードに着くと、ガイアスが厳しい表情で待っていた。そこでジュードが状況を確認すると、街に潜伏したアルクノア兵を水面下で検挙中らしい。その手際の良さはまさに一国の王を務めるにふさわしい物だろう。
『出来れば表沙汰にしたくないもんな』
『こっそり消してなかったことにする―――あなた達の得意技ね』
アルヴィンが表沙汰にしたくないと言うとミラがルドガーを睨みながら皮肉を言い放つ。それに対してルドガーは真実であるために何もいう事が出来ずにばつが悪そうに黙り込むしか出来ない。そんなルドガーを庇うようにジュードがミラを止めようとする。
『……何があった?』
その余りにもぎすぎすした雰囲気にガイアスが問う。
それに対してルドガーが答え辛そうに返す。
『ちょっと……な』
『確かに『ちょっと』よね。世界を消すのに比べれば、私を消す事なんて……』
悲しそうな目をしたままルドガーを見つめてそんなことを言うミラにルドガーは何かを言いかけて、口を閉じる。そんな様子にガイアスがルドガーを睨んでマクスウェルを消すのかと問いかけ、一触即発の空気が流れる。
『ケンカしないでー!』
そんな空気を嫌がったエルが大きな声でそれを止める。そしてジュードが調印式まで時間がないことを聞き、ガイアスが街中のアルクノアは抑えた事と、あとは外部からの進入を防げばいいと話そうとしたところで、第三者が現れる。
『あー、くっそ騙された!』
『マルコ!』
『げ……アルヴィン!?』
アルヴィンがマルコと呼ん
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