四十六話:君へと捧げる鎮魂歌
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二匹のルルの出来事以来、元気のないミラを心配しながらも借金を返していたルドガーの元にヴェルから最後の道標の発見を知らせる電話が来る。そのことに有頂天になったエルに急かされながらクランスピア社にルドガーは行く。
『お疲れ様です。お待ちしておりました』
『つかれてないから、すぐに最後のミチシルベ見つけに行くよ!』
クランスピア社に着いたルドガーとエルをヴェルが出迎える。そんなヴェルに早くカナンの地に行きたいエルがルドガーを急かすがそれは出来ないとヴェルが言う。それはどういうことかとルドガーが怪訝な顔をするとヴェルが手短に答える。
『精霊マクスウェルと思われる物体が分史世界進入の障害になっているのです』
『ルドガー!』
マクスウェルが邪魔をしているという言葉に驚愕の表情を浮かべるルドガーの元にジュード、ミラ、ガイアス、ミュゼが揃ってやってくる。そして何があったのかと事情を尋ねるとエルが両手を勢いよく振りながら答える。
『ごめん、話してるヒマないの! 最後のミチシルベをマクスウェルがジャマしてて大変だから!』
『マクスウェルが……』
ミラが、マクスウェルという名に反応する。そんなミラに対してルドガーは間違いなく二匹のルルの出来事を気にしているのだと察する。出来れば聞かせたくなかったとも思ってしまうが全ては後の祭りだ。その後、詳しい事情を聞くために全員でビズリーの待つ社長室へと向かう。
『遅かったな、ルドガー』
余程、事態は急を要するのかビズリーがルドガーにそう告げる。そして同時にルドガーの後ろに居たガイアスに気づき、珍しく声を上げながら面と向き合い、自己紹介をし、握手を交わす二人だったが、その空気は和やかな物ではなく凄まじい威圧感を放っていた。その事に黒歌達は改めてこの二人がただ偉いだけの人物ではないと感じる。
『しかし、よろしいのですか? 和平条約の調印直前に無用心では?』
『問題ない。それで、何が起きた?』
ガイアスの問いにビズリーは頷き、ヴェルに視線を向ける。そしてヴェルが説明を始める。
ヴェルが言うには最後のカナンの道標が存在する分史世界を探知したのだが、時空の狭間に障害物が存在し、進入点を塞いでいるというのだ。そしてリドウも進入を試したらしいのだがはね返されたと言う。そして一体何がはね返したのかというと―――
『四大精霊の力でな』
『四大の力!?』
『ミラ!』
『そう、ミラ=マクスウェルが最後の道標の壁になっているのだ』
『クロノスに飛ばされたんだ』
ビズリーが進入点を塞いでいるのは四大精霊の力、つまりはそれを従える精霊の主、ミラ=マクスウェルが壁になっていると言う。それに対して四大が
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