駆け抜ける獣
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を吹かせた。他のモビルスーツ達を倒すために。
死の騎士、幽霊、そしてブルー………役者は揃った。一年戦争から続いた因縁。
それが断ち切られる時がきた。
「ザンジバルがある。クロエ、そっちを撃墜すぞ!」
「了解!!えっと……トラヴィスさん、ムサカを頼みます!」
「おうよ!」
各自モビルスーツを撃墜としていくが、内心、トラヴィスは焦っていた。
「見栄きったのはいいけどよぉ……!」
「正直辛いねぇッッッッ!!」
が、そんな中で。星の輪を引き連れた獣と。蒼い宇宙を継いだ者が現れた。
「カジマ中、いや、大佐か!カペル中尉も……」
「おい、クロエの嬢ちゃんは!!そろそろHADESの限界だ!まじでまずいぞ!」
「カペル中尉、トラヴィス中尉!俺を、彼女のところに……HADESの所に……!」
「邪魔だ!!」
モビルスーツを蹴り飛ばしたユウは、EXAMとの戦いを思い出していた。
EXAMはニュータイプを殺す存在でしかなかったのかもしれない。
だが、俺には蒼い宇宙を見せたのだ。苦しみを与えるだけのシステムではない。
HADESもあれから作られたシステムならば…………
その可能性もあるはずだ!
ユウはクロエのいる方へ向かった。
「ペイルライダーのパイロット!よく聞け!!」
「そのシステムは痛みを与えるだけのシステムではない!」
「もっと奥へ!そこには優しさがあるはずだ!」
「カペル中尉!!」
「何だ!?」
「サイコフレームは人の思いを拡張させるのなら……頼む!」
「…………了解!」
ユウの機体とともに近づくと、ペイルライダーがこちらに向かって襲いかかってきた。
「やっぱりか……ヴィンセント中尉、撃つなよ!!」
「俺に力を貸せ、カペルスウェイト!!」
n_i_t_r_oを起動させると、ここにはいない人の意識が、カペルスウェイトを仲介してペイルライダーへと流れ込んだ。
「…………マリオン!」
ユウは再びそれを見た。あの時出会った少女で間違いなかった。
『ユウ…………』
「頼む、マリオン!!」
そして、それは。クロエを、ペイルライダーを包み込んで。暖かな光を見せた。
それは見る者の心を暖めた。ある者は戦闘をやめ、投降し始めた。
それに呼応したように他の機体も投降し始めた。
カペルは安堵し、周囲を見て帰投しようとした。けれど。
クロエとカペルは気付いた。敵意を持つ者がこの場にいることに。
「何だ……!?この憎悪の塊は!」
コロニーの陰から。ゆっくりとそれは姿を現した。
赤い、ずんぐりときた機影。それはゆっくりと。憎しみを前面に押し出して。
禁断のシステムを身に纏って、全身を
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