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SAO−銀ノ月−
第椅子取話
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ーとはまた違ったプレイヤー《情報屋》だ。

「それじゃあ、始めようか」

 設置された監視カメラから全員の準備が完了した、と判断した菊岡は、それぞれの部屋に通じるマイクのスイッチを入れる。

「あー、テステス。マイクテストマイクテスト、本日は晴天なり。……さて皆さん、窮屈な真似をさせてすまない。データ収集と安全のためだ」

 12人のプレイヤーたちもホークと同じように、様々な機材に繋がっているアミュスフィアを装着していた。さらに他にも心音系などを測る医療器具なども。

「改めて、私たちに協力していただき感謝する。それでは、心ゆくまで楽しんでくれたまえ」

 菊岡はそう言ってマイクの電源を切り、ホークのいる部屋から出て行くと、その隣の暗室へと向かっていった。そこには菊岡の研究するテーマのメンバーたちが、様々な計器に囲まれながら実験開始を今か今かと待っていた。

「菊岡二佐。試作アンダーワールド、準備完了ッスよ」

「ああ。各員、ハッキングやクラッキングに注意してくれ」

 白衣ばかりのメンバーの中で、1人だけアロハシャツを着ている眼鏡の青年、比嘉の言葉で準備が完了する。ここで妨害を受ければ全てが台無しとなる……そういう意味を込めて、菊岡は再びメンバーに警告する。

『リンク・スタート!』

 12人のプレイヤーとホークが、仮想空間《試作アンダーワールド》へとログインする。

 ――そこで菊岡は見逃していた。ハッキングやクラッキングではなく、《試作アンダーワールド》というデータの集合体の中に、既に敵の『何か』が構成されているということを。プレイヤーたちが仮想空間へと意識を飛ばす中、その『何か』もまた、仮想空間へと侵入する。

 ……あるいは。その『何か』の存在には気づいていたものの、それを紛れ込ませた人物をあぶり出す為に、わざとその『何か』を見逃したのかもしれないが。


「ここは……」

 仮想空間にログインしたショウキは、まずは現在位置を確認した。……離れ小島というべきか、人が町を作るほど広くはない、無人島のような印象を持たせる島だった。その島の中腹にある洞穴の中か。

 続いて、自分の姿がどんなことになっているか確認する。とりあえず人型のようである――というか、水面に映る自分の姿を見る限り、現実の自分と全く同じ……いや、装備と外見はSAO時と同じ装備だった。

「おーい、ショウキ!」

 自分を呼ぶ声に振り向くと、そこにいたのはバトルアックスを背中に担いだエギルに、現実と似たような純白の服を着たエミの姿だった。……ふと、美女と野獣、という言葉が出て来たものの、エギルに怒られそうなので言わないでおく。

『……プレイヤーの諸君。聞こえるだろうか』

 するとどこからか、菊岡さん
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