肝試しとキャンプファイアー
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法方があれば虐めなんて起きるはずがないからね。
ならどうするか…そんなことは俺にも分からん。虐められてる本人じゃないからね」
俺はここで一呼吸置く。
次に発するのが最後の一言。この一言をそれぞれの頭の髄まで染み渡らせれば俺の勝ちだ。
「でもな…虐められたやつの殆どが思うんだよ……。
絶対に復讐してやる……てな」
一気に周りの空気が冷たくなる。
当然だ。虐め返されるわけではないにしろ、ソレに似た何かをされる危険があるのだから。
「ほら、皆も習っただろ?因果応報って。
やったらやり返される。当たり前なんだよ…嫌なことをして、されて、それでおしまいなんてあるわけ無いんだからさ。……だからこう言うんだよ…やって良いのはやられる覚悟のあるやつだけだ」
比企谷が後ろで「おい、ちょっと!」などと小声で言っているが、今は無視だ。
子供達は確実に刻まれているだろう。
虐めをすることの恐怖が。やり返されるかもしれないと言う危機感が。
「因みに、俺はやり返したぞ?
ほら、アイツを思いっきり殴ってやった。本当は立てないくらいにやってやりたいけど…
やっぱり誰もいないところでやった方が言いと思うんだよ」
「っ………!」
「さて、虐めをすることの怖さは、わかってもらえたかな?
もしも分からないのならそのまま続けていくと良い。
しかし覚悟すると良い。そのうち……物凄い痛みに悶えることになるからさ…」
そう言って俺はその場から立ち去る。
流石に肝試しとかの雰囲気では無くなったな。まぁ逆の意味で恐怖を刻んだから良いのかもしれないけど。
後で鶴見先生に連絡入れといた方が良いだろうな。
しかし………
「停学かなぁ…?」
まだ喰らってないけど何気に初めてだしなぁ。
内申とかに響いたりするのかねぇ…。
俺はそんなことを考えながら、ログハウスへ荷物を持ちに向かうのだった。
その後、結果的に肝試しとキャンプファイヤーは中止になり、小学生の心のアルバムに楽しくない思いでとして記録された。
引率の教師たちが俺の下へとやってきて罵声を浴びせようとしたのだが、
虐めを見抜けず、その先の最悪な展開までを説明してやったら謝って出ていった。
「あー、つかれたー」
「そうね。中々ない経験だったわ」
「そりゃそうだろ。あんだけ掻き乱したんだからな」
「あの時のツクモン怖かったよ…」
俺達は総武校の門へと到着し、帰宅する最中にいた。
「さて、帰るぞ陽菜」
「はい、お兄さま」
俺は陽菜に声をかけ、鞄を背負った。
「鳴滝、明日は学校で呼び出しがあるだろうから…」
「わかってます。それを考慮して行った行動です
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