4部分:第四章
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外美味いものであった。
「ふむ」
いい酒だと思った。肴はなくとも酒だけを飲める程である。瞬く間に飲んでしまった。
「成程な」
一つ飲み終えたところで彼等が何を狙っているのかわかった。
「飲ませるつもりか」
そして酔い潰れたところを。それで納得がいった。
「だが相手が悪いな」
源介は杯を持ったまま不敵に笑った。
「私を酒で潰すことは出来ぬ」
そう呟くと酒のかわりを頼んだ。
「もう一つお願いします」
「はいな」
すぐに徳利が運ばれてきた。それもすぐに飲み干す。三つ目の徳利も飲み干したところで酒を持って来る女が変わった。来たのはあの女であった。
「姫様」
「うむ」
管姫は表面上はにこやかな笑みを浮かべて部屋に入って来た。その手には徳利がある。
「酒をな。持って参った」
「姫様がですか」
「何か不都合でもあるかな」
「いえ」
表面ではそう答えてはいたが内面では違っていた。遂に元締めが来たと心の中で身構えていたのである。
「まさかと思いましたので」
「わらわも酒は嗜むぞ」
姫は妖しく笑ってこう述べた。誘う笑みであった。
「じゃがらそちも」
「既にかなり飲んでおりますが」
「もっとじゃ」
源介の杯にすかさず注いできた。
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