四十五話:壊す覚悟、揺れる思い
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キリとして顔を赤らめてしまう。そんなルドガーの反応が予想外だったのかミラもミラで顔を赤くして見つめ合ってしまう。
『と、とにかく行くわよ! ほら、私の背中はあなたが守りなさい』
『あ、ああ、任せろ』
結局、恥ずかしくなって無理やり空気を変えたが二人の間の空気が始めの頃とは比べ物にならない程、柔らかくなったのには間違いないだろう。そしてこの時からルドガーは彼女の事を以前よりも強く意識しだすことになる。贖罪の為ではなく、自分自身が彼女を支えたいとそう願うようになる。ただ、そのことで未来に大きな課題作ってしまったのだが。
「なに、何なのにゃ、あの反応は!? あんな初心な反応、私にも見せてくれたことないのに…っ。はっ! まさか、ツンデレかにゃ!? ツンデレがルドガーの好みなのかにゃ!?」
「……姉様、気持ちは分かりますが一先ず落ち着いてください、うるさいです」
結局、暴走した黒歌は小猫によって説教(肉体言語で)されたことで静かになったが心の奥では密かに帰ったらツンデレ系になってみようと思う黒歌だった。その後、箱舟の内部を、魔物を倒しながら突き進んでいき、エルが言う、なんか光っている場所に到着する。行き止まりかと思われたがそこに巨大な剣と盾を持つ一見すると巨人の様な姿のオーディーンが現れた。そしてオーディーンは、ここは遥か昔、気が遠くなるような昔に滅びた文明があったと語る。
『最後に残った住民たちは、自分達の体を生体データに換え、封印したのだ。遥か未来、データを見つけた何者かが復活させてくれることを信じて』
その事実に息をのむ黒歌達。ミラの言う通り、まさにここトールは時の箱舟というわけだ。そしてオーディーンが言うにはこの箱舟の中には一つの文明と四十二万七千八十六名の生体データが保存されていると言う。その余りの数にエリーゼが驚き、リアスも途方もない数字に声も出せない。
『彼等が未来の人間に託したメッセージを聞いてはくれまいか』
そう言ってオーディーンがデータを出現させる。そしてそこから聞こえてくるメッセージを聞いて祐斗はかつての同士のことを思い出して激しく顔を歪ませる。
――がんばったら、またお外で遊べるようになるんだって!――
――どうか子どもたちに再び未来を与えてやってください――
――あなたたちと会える日を……そして共に暮らせる日を楽しみにしています――
――この事実だけは伝え残したい。未来の人が同じ過ちを繰り返さぬよう――
――俺達が存在した証だ。大切にしてやってくれ――
メッセージからは過去の人達がどれだけ未来を望んでいるかが痛いほどに伝わって来る。そしてここは他の世界では失われてしまった最後の希望でもあるのだ。そして
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