四十五話:壊す覚悟、揺れる思い
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時にアルクノアを壊滅させたと言うがレイアの言う通りミラは特別である。普通の少女とマクスウェルが同じであるはずがないのだから。そんな話を聞きながらルドガーはエルを無言で見つめどんなことがあっても守り抜こうと決意を新たにする。
『あー、ルルがいない!』
ルルがいないことに気づき叫び声を上げるエル。その声に今更ながらにルドガー達もルルがいないことに気づき、レイアがエルと同じように叫び声を上げる。
『分史世界に入った時、ルル、いましたっけ?』
『どうだったかな……?』
『随分と適当ね』
『いや、ルルって頭いいから、何も言わずにどこに行ってもついて来てくれるのに慣れてたんだよ。そう言えば、これってもしかして凄いことなんじゃ……』
エリーゼの質問にあやふやな記憶しか出て来ずに首を捻るルドガー。そんなルドガーにミラがチクリと棘のある言葉を投げかける。その言葉に頭をかきながら今更ながらに自分の飼い猫の凄さを知るルドガーだった。言われてみればと小猫もルルの凄さに気づきもしかしたら自分と同じ猫又や使い魔の一種なのではと一瞬思ってしまう。その時、エルの後ろから声が聞こえてきてルルが現れたのでエルは嬉しそうにルルを抱き上げる。しかし―――
『うにゃー!? どうしたのー??』
ルルはまるでエルを警戒するようにエルに猫パンチを繰り出して離れようとする。因みにその時のエルの声が余りにも可愛かったので何故録音してなかったのかとルドガーは深く後悔した。そんな時どこからともなく声が聞こえてくる。
『また来たのか、クルスニクの一族よ……』
『だれ!?』
『私はオーディーン。時の箱舟トールの管理システムだ』
オーディーンの箱舟という言葉にルドガー達はカナンの道標の一つだと反応するが、それ以上にオーディーンは自らがカナンの道標だという事を知っていることに驚く。さらには、オーディーンはルドガー達の弱点も理解していると言うのだ。
『これは忠告だ。大人しく立ち去ってくれ―――』
そう言い残して、反応が無くなったオーディーンにエリーゼ達は訳が分からずに不安がるがその中でミラは怖い物など何もないと言う風に一人進み始める。
『会ってみればわかるわ。奥へ進みましょう』
『ミラ、一人で進み過ぎるな。危ないって』
そんなミラに対してルドガーが一人で行くなと声を掛ける。そんな言葉に溜息を吐きながらミラは立ち止まり、振り返って口を開く。
『まったく、あなたも懲りないわね。私のことなんて放っとけばいいのに』
『ミラ……』
『……なんてね。今のはウソ』
そう言って、初めてルドガーに対して柔らかな笑みを見せるミラ。その笑みにルドガーは思わずド
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