四十五話:壊す覚悟、揺れる思い
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時歪の因子《タイムファクター》がある確率が高いのではないかと考え、それにルドガーも無言で頷く。
『いってみよう! ―――きゃあっ!』
エルが時歪の因子がある確率が高いと聞くと元気に手を上げたところで雷が鳴り響き悲鳴を上げてうずくまってしまう。そんなエルの子供らしい行動にミラが笑みを浮かべて雷が怖いのかと聞くがエルは必死に強がってそれを否定する。
『素直になりなさいよ』
『ちがう! 怖いのは雷じゃなくて、パパが……パパのこと思い出すから……』
自分を逃がすために父親が盾になったあの日のことを思い出してエルが目に涙を溜める。そして再び鳴った雷に限界になったのか叫びながら再びうずくまる。そんなエルを見てレイアとエリーゼは顔を見合わせて何事かを行う決意をする。
『『『きゃー!』』』
『みんな…?』
再び鳴り響いた雷にエルと同じように悲鳴を上げてうずくまるレイアとエリーゼ。因みにティポも低空飛行をしている。その様子に朱乃は二人が何をしたいのかが分かりクスリと微笑ましそうに笑う。
『雷って、超怖いよねー』
『はやく遺跡に入りましょう』
その言葉にエルも頷き三人で遺跡の中へと駆け出していく。そんな姿にエルが怖い思いをこれ以上しなくてすんだと思いホッとすると同時に自分がやればよかったと若干の後悔もするルドガーだったが、エルが元気になればそれでいいかと結論付けてエルの後を追おうとする。
『ミラ=マクスウェルは、あんな子たちに慕われているのね……』
しかし、そんな様子を見ながら寂しそうに呟くミラがそのまま一人にしてしまうと消えてしまうのではないのかと思うほど危なく見えたのでルドガーは立ち止まりミラに話しかける。
『もうひとりのミラに会ってみたいとか?』
『そう……ね。どこにいるのか知らないけど、会えるものなら』
『俺も、会ってみたいかな』
『……あなたもミラ=マクスウェルに会ったことがないのよね?』
正史世界のミラに会ってみたいと言う、ミラにルドガーも何気なしに会ってみたいと話す。そんなルドガーにミラは少し悲しげにそう尋ねる。ミラのその様子に少し首を傾げながらルドガーは肯定の意を示して頷く。
『そうよね……本物のミラ=マクスウェルがいるなら…私なんていらないわよね』
『そんなわけあるか! 正史世界のミラが現れたって、君がいらなくなるなんてありえない!』
『…っ! ……私の世界を壊したあなたに言われても、説得力ないわね』
自分が必要なくなると言うミラに対してルドガーは本心からの言葉をミラにぶつける。それに対して驚いた表情を浮かべるミラだったが、すぐに皮肉めいた言葉を返す。ル
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