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魔法少女リリカルなのは ―全てを変えることができるなら―
第六話
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「……いつも、そんなもの持ち歩いてるのか?」
「うん。
私、エリオやキャロの世話をしてた頃があって、最初の頃はよく転んだりして怪我したから、いつも応急処置ができる道具は持ち歩いてたの。
こうして持ち歩いてたのは、まだ癖が治ってない証拠かな」
自嘲気味な笑を零しながらフェイトは慣れた手つきで治療を終え、絆創膏を貼り終えた。
「助かったよ、フェイト」
「ううん、これくらいは大したことじゃないよ。
……それじゃ、話してくれるかな?」
「ああ、そうだな」
そうして朝我は、ティアナのことを話した。
ティアナがどういう境遇の子か、そして今、どんな気持ちでいるのか。
それに対して朝我自身はどうすればいいのか、どうすればよかったのか。
洗い浚い話した。
フェイトに聴かれたからじゃない。
自分から、フェイトに聞いて欲しくて仕方なかったのだ。
虫の良い話だったかもしれないにも関わらず、フェイトは口を挟まず、最後までしっかりと聞いてくれた。
「……フェイト、例えば……だけどさ」
「うん」
話すべきことは話したにも関わらず、いつの間にか朝我は聞く予定ではなかったことを聞いた。
「――――もし、未来に何が起こってるか分かってて、でも何も変えることができなかったら……結果の出なかった努力は、何もしなかったことと同じなのか?」
「……」
フェイトは俯き、しばし考えた。
どういう意図でその質問をしたのか、本当はフェイトは聞く権利があったはずだった。
しかしフェイトはあえて聞かず、そして自分の出せる最大限の答えを提示しようと模索した。
「……私は、無駄な努力なんてないと思う」
力強い瞳で朝我を見つめ、フェイトはそう答えた。
「どんなことにだって意味はあって、それは成功も失敗も関係なく意味があるんだと思う。
例え未来に起こる結果を変えられなかったとしても、そのために費やした努力は、決して無駄にはならないよ」
「……どうして、そんなことが言えるんだ?」
結局、失敗してしまえば全て無駄じゃないか。
言葉にせず、朝我は強い眼差しでフェイトに問いかける。
フェイトは目を逸らさず、小さく微笑んだ。
「だって君は、成功するまで何度でも努力するはずだから。
だから一度や二度の失敗は、成功するための努力の一つなんだと思う」
「フェイト……」
朝我は、心を見透かされたような気がした。
彼が何を抱え、なんのために走っているのかを、見透かされたような気がして、恥ずかしくなった朝我は慌ててフェイトから目を逸らした。
そのリアクションにフェイトはクスリと笑い、再び彼の右手を両手
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