暁 〜小説投稿サイト〜
Fate / the beelzebub comes.(魔王来たりて)
第1話 来訪
[3/5]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
分を呼び掛ける声で、漸く目の前にいる存在が赤い髪をした男だと気付いた。
「・・・貴方は・・・誰なの?」
あの時・・・前マスターを裏切り、この手で殺した・・・その後、私は唯一の魔力の供給ラインを失い、夜の森をさ迷った揚げ句・・・消滅する筈だった・・・
・・・しかし、今こうして私は存在している。
それどころか、かつて無い程に・・力強い魔力がこの身体に溢れている・・・
――状況から判断すれば、目の前にいるこの男が私に魔力を供給したと、そう考える事が自然でしょうけど・・・
「・・・・もう一度聞くわ、貴方は何者なの?」
「・・・そう興奮するな、無断で魔力供給した事については謝る。あのままでは、意識を失ったまま消えてしまいそうだったんでな。」
赤髪の男は両手を上げて、敵意が無いといった態度を見せる。
どうやら、私の予想は当たっていた様だけど・・・
本当に何者なのかしら・・・静かに佇むその姿からは、想像出来ない程の強大な魔力を内包しているのを感じる。
でも、それはこうして間近に居るからこそ分かる事・・・目の前にいなければ、
何人
(
なんぴと
)
も気付きもしないでしょうね。
それほどまでに見事な穏行・・・それはその強大な魔力を己が物にし、コントロール出来ているという証拠。
こんなとてつもない存在が、只の人間である筈が無い。
「・・・・俺が何者か・・か?・・・まぁ、説明するのは良いが―――口で説明しても信用しないだろうし・・・
それに、長いし面倒臭いからな、手っ取り早く行くぞ?」
赤髪の男は、おもむろに赤い光が灯った指先を私の額へと向ける。
「!?・・・何をするつもり・・・!?」
私は咄嗟に距離をとり、魔術を放とうと腕を振り上げ・・・!?
「話の腰を折るなよ、まだ説明の途中だ。」
いつの間に!?
・・気付けば、私の腕は目の前の男に掴まれていた。
「クッ・・・!?」
なんて膂力・・・ビクともしない・・・!?
「そう暴れるな、お前の脳に直接俺の記憶の一部を投影するだけだ、害は無い。」
「・・・記憶の転写?」
「そうだ。」
私は首を縦に振る男の真意を計るべく、まじまじと凝視する。
・・・・・・・どうやら嘘はついていない様ね。
・・・・・・・・・。
・・・・そうね・・どうせ、あのままでは消えていた訳だし。
私は一旦精神を落ち着け、改めて男を観察する。
それに、抑えていてこの魔力量だ・・・ただの人間で有るはずが無い。
その正体を見ておくのも悪くはないわね。
「分かったわ、やってちょうだい。」
「そうか、分かった。・・・少し身体の力を抜いていてくれ。」
男は改めて、私の額に指先を翳し、煌
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ