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Fate / the beelzebub comes.(魔王来たりて)
第1話 来訪
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分を呼び掛ける声で、漸く目の前にいる存在が赤い髪をした男だと気付いた。

「・・・貴方は・・・誰なの?」

あの時・・・前マスターを裏切り、この手で殺した・・・その後、私は唯一の魔力の供給ラインを失い、夜の森をさ迷った揚げ句・・・消滅する筈だった・・・

・・・しかし、今こうして私は存在している。

それどころか、かつて無い程に・・力強い魔力がこの身体に溢れている・・・

――状況から判断すれば、目の前にいるこの男が私に魔力を供給したと、そう考える事が自然でしょうけど・・・

「・・・・もう一度聞くわ、貴方は何者なの?」

「・・・そう興奮するな、無断で魔力供給した事については謝る。あのままでは、意識を失ったまま消えてしまいそうだったんでな。」

赤髪の男は両手を上げて、敵意が無いといった態度を見せる。

どうやら、私の予想は当たっていた様だけど・・・

本当に何者なのかしら・・・静かに佇むその姿からは、想像出来ない程の強大な魔力を内包しているのを感じる。

でも、それはこうして間近に居るからこそ分かる事・・・目の前にいなければ、何人(なんぴと)も気付きもしないでしょうね。
それほどまでに見事な穏行・・・それはその強大な魔力を己が物にし、コントロール出来ているという証拠。

こんなとてつもない存在が、只の人間である筈が無い。

「・・・・俺が何者か・・か?・・・まぁ、説明するのは良いが―――口で説明しても信用しないだろうし・・・
 それに、長いし面倒臭いからな、手っ取り早く行くぞ?」

赤髪の男は、おもむろに赤い光が灯った指先を私の額へと向ける。

「!?・・・何をするつもり・・・!?」
私は咄嗟に距離をとり、魔術を放とうと腕を振り上げ・・・!?

「話の腰を折るなよ、まだ説明の途中だ。」

いつの間に!?

・・気付けば、私の腕は目の前の男に掴まれていた。

「クッ・・・!?」
なんて膂力・・・ビクともしない・・・!?

「そう暴れるな、お前の脳に直接俺の記憶の一部を投影するだけだ、害は無い。」

「・・・記憶の転写?」

「そうだ。」

私は首を縦に振る男の真意を計るべく、まじまじと凝視する。


・・・・・・・どうやら嘘はついていない様ね。


・・・・・・・・・。


・・・・そうね・・どうせ、あのままでは消えていた訳だし。

私は一旦精神を落ち着け、改めて男を観察する。

それに、抑えていてこの魔力量だ・・・ただの人間で有るはずが無い。
その正体を見ておくのも悪くはないわね。

「分かったわ、やってちょうだい。」

「そうか、分かった。・・・少し身体の力を抜いていてくれ。」

男は改めて、私の額に指先を翳し、煌
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