1部分:第一章
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つないでいるだが」
「どうなるかわからないだべな」
「干し魚は残っているだが」
それはまだあるのだった。しかしであった。
「あれは最後の最後だべ」
「んだな。あれがなくなったら」
「本当に終わりだべ」
「殿様は何やってるだべか?」
話は彼等のいる場所の藩の藩主のことにも移った。
「一体。それで」
「今必死に動いて下さっているそうだ」
こう女房に話すのだった。
「それ以外はおらはしんね」
「そうだか」
「とにかく。おら達はまだまだましだべ」
それでもその顔は痩せこけてしまっている。苦しいのは間違いなかった。
「生きているだけでもな」
「そんなもんだか」
「今はそうだ」
深く沈んだ、二度とあがれないような言葉だった。
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