マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0926話
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か分かっているのか? あの炎龍じゃぞ? それを人が倒すなど……」
ありえない。夢でも見てたんじゃないのか。言外にそう告げる村長に、ホドリューはそっと首を横に振る。
「事実だ。集落を襲ってきた炎龍を引き離してからの戦闘になったから、倒すところを見た訳ではない。けれども、アクセル様のなされた事である以上疑いはない」
いや、だからそこまで盲目的に信じられても困るんだがな。
実際炎龍を倒したのは事実だが。
……ああ、炎龍に関してはアルヌスの丘に戻ったら一旦空間倉庫から出した方がいいな。
いや、レモンに渡す素材的な意味ではなくて、炎龍の胴体……サラマンダーの攻撃を受けてまだ残っている部分には、恐らく食われたハイエルフ達の死体が残っているだろう。
火葬、土葬、あるいはそれ以外の何か。ハイエルフがどのように死者を埋葬するのかは分からないが、それでも死体があった方がいいのは事実だ。
「……随分とこちらのアクセル様という方に心酔しているようじゃな。それ程の何かがあったのか?」
「そうだ。人間である村長には分からないかもしれないが、アクセル様は我等精霊種たるハイエルフにとっては神に等しいお方なんだよ」
「神?」
胡散臭げにこちらへと視線を向ける村長だったが、俺が何かを言う前にホドリューが口を開く。
「アクセル様に庇護してもらうように頼んだのはこちらからだ。悪いが、アクセル様に対して不躾な視線を向けるのは謹んで欲しい」
「ふむ。まぁ、強制的に連れて行かれるのではない以上、儂からは何を言うこともないな。ただ、ホドリュー達のような親しい隣人がいなくなるのは寂しいが。全員が彼の下に向かわなくても、何人かでも集落に残ったりは……」
だが、ホドリューは首を横に振って村長の言葉を否定する。
「集落そのものが炎龍の攻撃でもう殆ど使い物にならなくなっているからね。それに、アクセル様の下へと向かうのは皆が自分の判断で決めた事だ」
「……ふぅ、分かった。それですぐに行くのか?」
「出来れば皆が世話になった相手との別れの時間を取りたいのですが……どうでしょう?」
村長の言葉に、ホドリューがこちらに向けて尋ねてきた。
確かにそれはありか。ここからアルヌスの丘まではある程度の距離があるから、これまでのように気楽にこの村の住人と交流は出来なくなるだろうし。
そもそも帝国の国内の村が、その帝国と敵対している国家の庇護下に置かれたホドリュー達と気軽に会うというのがそもそも難しいだろう。
それに……
チラリと視線を向けた先にいるのは、いつもの余裕はどうしたのか、未だに震えながらムラタに掴まっているロゥリィの姿。
あの2人をエアカーで帰すのなら、時間が掛かる分、先に帰した方がいいだろう。
「分かった、
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