―封印されし―
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エドに亮がオブライエンと合流した時、異世界のとある洞窟では。眼鏡をつけた理知的な青年がマント姿で佇んでいた。
彼の名はアモン・ガラム。先のプロフェッサー・コブラのデスデュエルの騒ぎや、砂の異世界におけるデュエルゾンビの騒ぎの時にも裏で暗躍を果たし、今最もこの一連の事件に詳しい人物だった。しかし、彼は事件の収拾などにはまるで興味はなく、彼自らの目的で異世界をさまよっていた。
「ようやく見つけたぞ……」
その洞窟の奥には祠があった。何かが祀られているような、それとも何かが封じられているような、とにかく神格化されたような何かが潜んでいるような。アモンの目的はこの祠の発見であり、ようやく見つけたその祠にアモンはそう独り言を呟いた。そしてデュエルディスクから五枚のカードを取り出すと、その祠に向かってかざしだした。
「長き封印から目覚めよ! 《エクゾディア》!」
……祠にかざした五枚のカードとは、かの伝説のカード群《エクゾディア》。砂の異世界において加納マルタンに取り憑いたユベルが、アモンへと託した――いや、必要がなくなったから置いていった、か――カードたちだ。カードたちは言わば封印を解除するカードキーであり、それをかざされた封印の祭壇から地響きが鳴り響いていく。
――その祭壇に祀られていたのは、まさしく《エクゾディア》そのものだった。
「うっ……」
一瞬。その洞窟全体に、目も開けてられないほど光が瞬いたかと思えば、アモンが持っていたカードが五枚から増えていた。エクゾディアパーツしかなかった筈の五枚から、二枚増えた七枚のカードへと。
「……ふ、ふはははは! やったぞ!」
その七枚のカードを見ると、柄にもなくアモンは誰もいない洞窟で高笑いを響かせる。エクゾディアを解放する儀式は成功したのだと、そう確信しながら。
「…………ん?」
アモンは思うさま高笑いした後、洞窟に自分以外の誰かが入ってくる気配を感じた。つい数秒前の自分を自省しながら、アモンは侵入者の正体を見破るべく洞窟の出口を伺った。
「お前は……」
さて、覇王軍か原住民か。覇王軍ならばエクゾディアの供物にするのも悪くはない――と考えていたアモンにとって、そこにいた人物は予想外の人物だった。マントのようにも見える、青い制服姿の青年――
「……黒崎遊矢、だと?」
――黒崎遊矢だった。アモンは少しだけ首を傾げた後、ニヤリと笑って遊矢へと話しかけた。もはやデュエル・アカデミア本校で被っていたような、優等生という名の仮面も必要ない。
「どうした? 君も仲間を救う為にでも、エクゾディアの力を得に来たのか?」
黒崎遊矢の身に降りかかった出来事を、アモンは大体のことは把握していた。いや、遊矢のことだけでは
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