第142話 孫家の現状
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、失礼いたしました。夕餉をご一緒させてください」
美羽は泉の返事を聞くと嬉しそうに微笑んだ。
その後、五人は食堂へと移動した。
食堂には七乃と渚が居た。他にも美羽配下の面々が待ちくたびれたように食台を囲むように椅子に腰を掛けていた。
食堂に居合わせた面々は正宗達を確認すると起立した。
「お待たせなのじゃ。七乃、お腹が空いたのじゃ。夕餉の配膳の頼む」
「美羽様、遅いですよ」
七乃は美羽に頬を膨らませ抗議した。
「悪かったのじゃ」
「美羽様は悪くありません。正宗様が遅いお帰りだったからではないですか?」
七乃はオバーリアクションを取り、美羽に駆け寄り全身で彼女のことを擁護した。
「正宗様、何で早くお戻りにならなかったのです!」
七乃は正宗に詰め寄り正宗の胸辺りを人差し指で指差しながら抗議してきた。
「七乃、私が毎日海陵酒家に行っていることは知っているだろう」
「そんなこと関係ないです。美羽様が正宗様と夕餉をとりたいと待っていたのですよ。美羽様に『兄様』と呼ばれる者として察しなくてどうするんです! 『兄様』失格です。美羽様が可哀想です」
七乃は「兄様」を強調して正宗に言うと涙を拭くような仕草をした。正宗は七乃のことを面倒臭そうに見つめた。
「悪かった。以後、気をつける」
「本当にお気をつけくださいね」
七乃は正宗に念押しするように言った。正宗は七乃に対して頷いた。
「七乃、早く夕餉の支度をしてたも。お腹が空いたのじゃ」
「美羽様〜、夕餉を直ぐにお持ちしますね」
七乃は正宗に抗議していたのも忘れ、美羽の方に笑顔で振り向くとそそくさと食堂の奥に消えていった。
「七乃は相変わらずだな」
正宗は七乃が立ち去っていくのを目で追いながら独白した。
「兄様、ささ早く席についてください。泉も早う座るのじゃ」
正宗と泉は美羽に促されるままに席についた。正宗は美羽の隣に座り、泉は正宗の隣に座った。正宗が座ると美羽の主要な家臣も席に腰を掛けた。
食事の時間が終わり、美羽は食後の茶を飲んでいた。その茶を飲み終えた処で美羽は正宗の方を向いた。
正宗は美羽の視線に気づくと彼女の表情を捉えた。
「美羽、どうしたのだ?」
正宗は美羽が何か聞きたげな表情を浮かべたいたので彼女に話を振った。
「兄様、海陵酒家に新たに人が雇われたとお聞きしました。どのような者達なのです?」
美羽は徐ろに正宗に聞いてきた。彼女の表情は神妙だった。正宗は質問の内容に意表を突かれた表情をしていたが、直ぐに真面目な表情に変わり美羽を凝視した。
「美羽、どこまで知っている?」
美羽の表情から、正宗は彼女が海陵酒家の
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