第二百話 青と黒その十二
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兵達を二十五将達に率いさせ順調に退かせる。夜の中でそれをしてみせる謙信に信長は唸った。
「信玄入道も見事じゃったが」
「はい、上杉謙信もですな」
「あの御仁も」
「見事じゃ」
こう言ったのである。
「稀代の傑物じゃ」
「して殿」
こう言った信長にだ、黒田は問うた。
「今我等は攻めていますが」
「それでもじゃな」
「後詰は崩せておりませぬ」
謙信と兼続が務めるそれをだ。
「どうされますか」
「このまま攻めてじゃ」
「そしてですな」
「そうじゃ、そしてじゃ」
そのうえで、というのだ。
「言うのじゃ」
「その様にですな」
「うむ、わし自らな」
やはりだ、信玄の時と同じくというのだ。
「出るか」
「そうされますか」
「総大将に言えるのは総大将だけじゃ」
対峙する軍勢の、というのだ。
「だからな」
「それでは」
「そもそろ頃合じゃ」
後詰への攻めもというのだ。
「では行って来る」
「お願いします」
黒田は今は信長を見送るだけだった、上杉謙信との戦もここで終わりを迎えようとしていることは確かだった。
第二百話 完
2014・10・2
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