ターン20 鉄砲水と冥府の姫と
[6/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
獄!このカードがある限り、レベル3以下のモンスターはエンドフェイズごとに破壊されるぜ。本来なら遊野清明用のカードだったが、考えてみりゃワイトにだって十分効くなぁ」
ドヤ顔での語りが、彼女の苛立ちに油を注ぐ。最初のうちは1ターンぐらい様子を見ようかとも思ったが、そんな情けをかける気も消え失せた。
「魔法カード、手札抹殺を発動、って。手札を捨てて、その枚数ぶんだけドロー。さらに暗黒界の取引を発動。お互いカードを1枚引いて、1枚捨てるんだって。魔法カード、ワン・フォー・ワンを発動、手札のモンスターカードを1枚捨ててデッキからレベル1モンスター、ワイトキングを特殊召喚するみたい。それとこのターン通常召喚してなかったから、ワイトキングを通常召喚」
ワイトキング 攻7000
ワイトキング 攻7000
「ちょ、ちょっと待ってくれよ………なんで攻撃力7000が2体も後攻1ターン目で並ぶんだよ……」
無論、彼女は不正などしていない。たまたま初手に手札抹殺とワイト3枚にワイトメア2枚が来て、暗黒界の取引で引いたワイト夫人をそのまま捨て、偶然引いたワン・フォー・ワンのコストにたまたま手札にあったワイトプリンスを使っただけである。どこからどう見てもオーバーキル以外の何物でもないが、その数字の大きさがそのまま彼女の怒りを物語っている。
「ワイトキング2体でドラゴンに乗るワイバーン、始祖竜ワイアームに攻撃、ってさ」
「ぎゃあああああっ!?」
取巻 LP4000→0
「ふーんだ、だって。馬に蹴られて死んじゃいなさい、だってさ。あ、清明、こっちも終わったよ」
「うう………」
放心状態でその場に座り込む取巻を見て、とりあえず、夢想のことは絶対怒らせないようにしようと固く誓った。あんなの実戦で喰らったらさすがに僕でも心が折れそうになる。
「ったく、それにしてもこれで振り出しか。十代たち、どこ行っちゃったんだか」
正確に言えば電車賃の分だけマイナスだけど、これに関しては今更どうしようもないのですっぱり諦めることにして、とりあえず念のためにもう一度だけ連絡をつけてみる。数回のコール音が鳴り、そのまま電子音声に………
『あ、清明!一体どこ行ってんだよ、探してたんだぜ?』
「じゅ、じゅじゅ十代!?今どこにいんの!?」
『お、おう。えーっと、今は俺たちのキャンプ地にいるぜ。もっとも、俺もついさっき帰ってきたばっかだけどな。昨日からいろんなことがあったんだ、アカデミアに戻ったら色々俺の武勇伝を聞かせてやるぜ!だから早いところこっちまで来いよ。じゃあ、また後でな!』
そこで通話が切られた。でもとりあえず電車賃をせびる相手が見つかったので、そこはまあよかったとしよう。
………無事で、よかった。
「
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ