ターン20 鉄砲水と冥府の姫と
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かからない。
「さっすが夢想。十代たち、いるかなー」
「赤い洋服で腕にデュエルディスク付けた人かい?そういえば今朝見たねえ、2人組でしゃべってたんだけど、ここから隣町まで行くって言ってたっけか」
「あらま。あ、ありがとうございました」
まさかとは思ったけど、まさか一発目でビンゴするとは。ラッキーというかなんというか、なんかちょっとできすぎてるような気もする。とはいえ他に手がかりがあるわけでもないので、とりあえず切符を買う。夢想の分も合わせて2枚。高い。
『そこで二人分買うあたり律儀というかなんというか』
「(やっぱ見栄は張りたいからね。まだ生活費にまでは手つけてないしギリギリオッケー。それより、頼んでた方はどうだった?)」
頭の中に割り込んできたチャクチャルさんとこれまた頭の中で会話しながら、同時にそんなそぶりを見せないように夢想とも喋る。精霊が見えるってのは便利だけど不便だ。ちょっと気を抜くとすぐに何もないところと会話してる危ない人扱いされる。
「はいこれ、夢想。次の電車っていつだっけ?(このままでも問題ないよね?)」
「ありがとう、だってさ。でも清明、お金大丈夫なの?」
『問題はないが、だからこそ怪しいな。町全体を感知してみても、引っかかるものはまるでなし、だ』
「ま、なんとかね(そりゃまた………で、十代たちもいない、と)」
ここで夢想との会話を切り上げる。最初は何とかなるかとも思ったけど、やっぱ無理だ。あのまま二つの会話を同時に続けてたらどこかで脳が限界になっていただろう。
「(少し整理させて。昨日までは確かにいた4体の帝が今朝になったらきれいさっぱり消えていて、その上十代たちとエドも消えてると。チャクチャルさん、十代たちの方はともかくとして、帝があっさり消えたことについてはどう思う?)」
『おそらくそれぞれのカードの使い手が誰かに倒されたのだろう。と言いたいところだが、あの帝どもは明らかに精霊としての能力が暴走しかかっていた。もしカードの使い手が倒れでもしたら、それこそストッパーがなくなった精霊が暴れまわってもおかしくないほどにな。だが何の痕跡も残さずに消えていったところをみると、十中八九昨日のミスターTだろうな。おおかた元は普通の帝だったものに無理やり力を注ぎこんで強制的に進化させたのだろう』
「(それでミスターTを倒したからそのブーストが切れて、暴走しなくなったってこと?)」
そう聞くと、腑に落ちなさそうにしながらも肯定するチャクチャルさん。だったら、別に何もおかしなところはないと思うけどなあ。
『それ自体はな。私が言いたいのはそこじゃないんだ、マスター。ミスターTを倒せば帝にかけられた強化が切れるというならば、なぜ奴はわざわざデュエルを挑んできた?
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