第四十話 大阪の華その九
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「ええと、それは」
「北の将軍様?」
向日葵がここでこの人物の名前を出した。
「前の」
「あっ、あのパーマで眼鏡の」
「それでやけに太ってる」
「あの人になのね」
「実際にネットでは将軍様とも呼ばれていたわ」
まさに文字通りにだ。
「ゴーマニズム何とかって漫画であの将軍様の服を着せられてたらしいし」
「そのままなのね」
「そう、あの人そっくりでしょ」
「それだけ酷いってことなのね」
「あの将軍様酷過ぎだったじゃない」
それこそ、と言う向日葵だった。
「もう何もかもがね」
「凄い女好きで贅沢三昧だったのよね」
「国民は皆餓えていたけれどね」
その中で一人だけ肥え太っていたのだ、そして成人病に悩まされた一生だったらしい。
「何百万も餓死者が出ていて」
「凄い数ね」
「あの国二千三百万位だったけれど」
二千五百万人という説もある、だがその人口の中でだ。
「何百万も餓死したらしいわ」
「凄い話ね」
「人口の割合考えたらね」
「そんな政治している将軍様とね」
また言う裕香だった、向日葵の話をここまで聞いて。
「そっくりに思えるのよ、あのオーナー」
「凄いわよね、それって」
「私もあの人嫌いなの」
「というか好きな人いないでしょ」
「あんな人がお祖父ちゃんだったら嫌過ぎるわ」
「ひいお祖父ちゃんでもね」
どちらにしても血縁者ならだ。
「嫌になるわね」
「そうよね、偉そうでやりたい放題でお金にものを言わせて」
「マスコミの人ってああいう人多いのかしら」
「そうじゃないの?政治家なら落選するけれど」
そして終わりだ、政治家の権力は実は脆いのだ。政治家当人達にしてもこのことはよくわかっていることである。
「マスコミだとね」
「そのまま居座るのね」
「お金も情報も持ってね」
「腐らない筈がないわね」
「それこそあれじゃない?」
ここでこう言った向日葵だった。
「夏の炎天下の下ほったらかしにしておいて豚肉」
「食べたら確実に当たるわね」
「それも生で食べる」
腐ったそれをだ。
「マスコミってそんなのでしょ」
「あのオーナーも」
「そう思うわ。まあ豚肉はね」
向日葵は今度は豚肉自体の話をした。
「傷みやすいけれど安くて美味しいのよね」
「栄養もあるしね」
「だからいいのよ。じゃあお好み焼きはね」
ひいてはこちらの話に戻った。
「私豚玉にしようかしら」
「豚肉のお話が出たから」
「そう、だからね」
それで、というのだ。
「豚玉にしようかしら」
「豚玉いいわね」
裕香もそちらに関心が移った、お好み焼きを食べるということは最早規定路線になっていてそのうえでの話だ。
「美味しいし」
「そうでしょ、豚玉もね」
「海老も烏賊もいい
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