第四十話 大阪の華その七
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「あの道路を渡れば」
「すぐそこなんだな」
「そう、本当にね」
「あとここは船場もすぐそこよ」
菊はその場所を言った。
「あそこもね」
「船場って昔船着場だったのかよ」
「太閤さんの頃はね」
大坂城を築き大阪発展の基礎も築いた豊臣秀吉のことであることは言うまでもない。大坂城はその前は石山本願寺があった。
「そうだったの」
「ここからすぐそこが海だったんだな」
「住吉大社のすぐそこまでね」
難波から南に行った大阪を象徴するもう一つの場所もというのだ、住吉大社もまた難波や道頓堀、大阪城等と同じく大阪の象徴なのだ。
「海だったのよ」
「そうだったんだな」
「そうなの、それで船場は実際はね」
「太閤さんの頃はか」
「船着場だったのよ」
それで船場という名前だったというのだ。
「あと道頓堀も堀だったし」
「実際にか」
「それと京橋とか鶴橋もね」
菊は大阪のそういった地名の説明もした。
「実際に橋があって」
「そういった名前だったんだな」
「大阪は水が多くて。それで橋もね」
「多かったのか」
「東京は八百八町、大阪は八百八橋だったのよ」
そこまで橋が多かったというのだ。
「この辺りにも橋があったと思うわ」
「何か大阪って言っても色々歴史があるんだな」
「じゃあ今から道頓堀にね」
「行って賑やかさを観るんだな」
「それとね」
それに加えて、というのだ。
「あとはね」
「ああ、後はか」
「そこでお好み焼き食べるのよね」
「ああ、本場のな」
道頓堀でも食べることは確実だった、薊は菊の問いに笑って答えた。
「それとたこ焼きと」
「そうよね、あと晩は」
菫が話してきた。
「金龍ラーメンに蓬莱の豚まんと餃子、そして」
「北極のアイスキャンデーか」
「それだけ食べてよ」
それこそ、というのだ。
「難波を満喫したことになるのよ」
「本当に食いまくる街だな」
「それが大阪なのよ」
「食い倒れの街か」
「そうなるのよ」
「それじゃあ」
こう話してだ、そしてだった。
一行は実際に道頓堀まで来た、そこの橋のところに来てだった。桜は目を細めさせてこう仲間達に言った。
「今年は飛び込めそうですね」
「最近阪神滅茶苦茶強いよな」
薊はあまり嬉しくない感じで桜に応えた、橋の下にあるその川はかなり汚い。ヘドロにしか見えない位である。
「ダントツ首位じゃねえか」
「いいことです」
「いや、横浜がな」
薊は腕を組みつつ微妙な顔になり応えた。
「どうもな」
「確か今は」
「ああ、五位だよ」
その順位だからだというのだ。
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