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IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二十三話 決戦前
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騰し交易船を出す事は利益よりも危険が大きいと商人達も判断せざるを得なかった。ローエングラム侯は戦術的な勝利は得たが戦略的には敗北した。
その敗北が目に見える形で現れたのがオーディンでの暴動だった。フェザーン商人が交易船を出さないと知ったオーディンの住民が物資不足に対する不満から暴動を起こした。当時オーディンを守っていたのはナイトハルト、ワーレン、ルッツの三提督だったが兵を使って暴動を鎮圧した。
どうにもならなかったようだ。暴動を抑えるには物資を供出するしかないが軍にも供出出来るような余裕は無かった。辺境の惑星なら人口も少なかっただろう、供出による抑制は可能だったかもしれない。だがオーディンは帝都だ、当然だが人口は多い。一度物資を供出すれば際限なく供出を続けざるを得なくなる。苦渋の決断だったと思う……。
「ミッターマイヤー提督の負傷が癒え復帰したそうです。艦隊の編成に取り掛かったとか。それを考えるとこれ以上の先延ばしは危険でしょう、今なら疾風ウォルフは決戦に加われません」
シュトライト少将が渋い表情をしている。彼方此方で頷く姿が有った。
「ブラウンシュバイク公の仰られるようにそろそろ決戦の時だと思います。ローエングラム侯が動かせる兵力は三個艦隊、約五万隻。一戦して内乱を終わらせましょう」
メルカッツ総司令官が重々しく発言するとまた皆が頷いた。
「しかし厄介ですな、ローエングラム侯の下にロイエンタール、ビッテンフェルトの二人が残りました。頭が痛いですよ」
「そう言うな、ファーレンハイト中将。我々が敗北する可能性も有った、いやその可能性の方が高かったのだ。それを思えば何ほどの事も有るまい」
クレメンツ提督の言葉に彼方此方から笑いがさざ波の様に起きた、皆が苦笑している。
「いやいや、勝ち目が出てきたから頭が痛いのですよ。負け戦なら悩む必要は有りません。華々しく散る事だけを考えれば良い」
ファーレンハイト提督の言葉にオフレッサーが吠えるように笑った。なんだかなあ、人間の中に一匹だけデカいクマが居る、そんな感じだ。
暴動後、ルッツ、ワーレン、ナイトハルト、ケスラー、メックリンガーの五人がローエングラム陣営から離脱した。兵達がローエングラム侯に付いていけないと訴えたらしい。特にルッツ、ワーレン艦隊は酷かったようだ。彼らは辺境星域の鎮圧を担当していた。辺境星域の抵抗の執拗さは彼らにローエングラム侯への不信感を持たせたようだ。それがオーディンの暴動で限界に達した。
彼らはこちらの味方になったわけでは無い。中立を表明してカストロプに退避している。貴族連合軍は通商破壊作戦で四万隻を失ったがローエングラム侯から五個艦隊、六万隻以上を奪った事になる。流血こそないが凄絶なまでの潰しあいだ。決戦に使える艦隊は貴族連合軍が八個艦隊、
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