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魔法少女リリカルなのは ―全てを変えることができるなら―
第五話
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クターに似ていたのだ。

「できれば俺は、無駄な争いは避けたい。
二人の事情は理解しているつもりだし、ここで二人を捕まえるのは今後の流れとしてよくない。
だから――――取引しないか?」

 薄ら笑を浮かべながら、彼はそう言った。

 そのまま殺気を収めた朝我に、ゼストは少しずつ警戒を緩めた。

 彼を信じるべきか否か。

 迷った中で答えを出したのは、背後にいたルーテシアだった。

「私は、聞いてもいいと思う」

「……そうか」

 なぜ彼女が朝我を信じようとしたのか。

 それはきっと、ドクターと朝我を比べた結果なのだろう。

 そう思うと、自然とゼストも答えを見出した。

「……取引の内容次第だ」

「十分だ、それじゃ――――」

 そうしてゼスト、ルーテシアは朝我の話に耳を傾けた。

 とても信じ難い内容に唖然とすることもあったが、なぜか信憑性があった。

 それすらも――――ドクターに似ていた。


*****


「変わり者だったな」

「うん……不思議な人だった」

 話しが終わると、朝我は二人を解放して去っていった。

 その背中を見届けた二人の脳裏には、未だに彼の姿は消えなかった。

 それだけ強烈な印象を与える人だった。

「でも……ドクターと違う所、あった」

 そう言ってルーテシアは両手で胸を――――心に触れた。

「ドクターは冷たい感じがするけど、あの人は温かい人だった」

「……そうか」

 ゼストも同様の意見を持っていた。

 朝我とドクターは似たような分類に感じた。

 しかし同じ分類であっても陰と陽で違うのだろう。

 そう思える決定的なことは、先ほどの会話が終わった最後の一言にあった。

『ゼスト、あなたはまだ必要となる存在だと言うことを、忘れないでくれ』

 それは明らかに、ゼストがこの先しようとしていることを見透かしての発言だった。

 だから心の奥に届くような言葉だった。

 更にルーテシアに対しても、彼女と同じ目線にしゃがんで言った。

『君はこれから、沢山の愛情を与えてもらえる。
そして今度は君が、誰かを愛していくんだ、
その為の道は、俺が必ず切り開くから、それまでの辛抱だ』

 優しく頭を撫でて、明るい笑みを浮かべながらそういった。

 どうしてか、彼は全てを知っている。

 理由は答えてくれなかったが、疑う必要もなかった。

 なぜなら彼の言葉には、一切の嘘偽りがなかったからだ。

 そして二人はそれを信じて疑わなかった。

「私、あの人のこと……気になる」

「興味を示すのは、良いことだろうな」

 ルーテシアは、あらゆることに無関
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