第十幕その九
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「だからね」
「ここは何としてもですね」
「そうだよ、皆の歯を治すのと一緒に」
「その元もですね」
「止めてもらうんだ」
皆にお菓子をあげることをです。
「だからこれから神社に行くんだよ」
「さて、今度はね」
ここで言うのは王子でした。
「神社に行くけれど」
「うん、どうしたのかな」
「神社には馬がいるよね」
「あの神社にはね」
いるとです、先生は王子にこのことも答えました。
「白い馬がいるよ」
「白馬だね」
「他の馬もいるけれど」
「白馬は一番有名なんだね」
「白馬は神道では神聖なものとされているんだ」
白が神聖な色とされているが故にです、白馬は神道ではとても神聖な動物として大事にされているのです。
「他には狐や蛇もね」
「蛇もなんだ」
「うん、白蛇もね」
「日本の神道では神聖なんだね」
「そう考えられて信仰されているよ、それにね」
さらにお話する先生でした。
「人間もだよ」
「白い人もなんだ」
「そう、大事にされるんだよ」
「白い人っていうと」
「白人ではないよ」
先生は微笑んで王子に答えました。
「僕達の様なコーカロイドではなくてね」
「完全に白い人なんだ」
「白い肌で赤い目、髪も真っ白なね」
「白子かな」
「そう、動物達も同じだけれど」
「アルビノだね」
「そうした人もだよ」
神道ではというのです。
「大事にされるんだよ」
「完全に白い人も」
「多くの文化、宗教で白は神聖な色とされるけれど」
「神道でもそれは同じで」
「そう、白いものは大事にされるんだよ」
「そういえば狐も」
「うん、その生きものもだよ」
先生は王子にです、神社に向かうその途中でお話するのでした。
「白いと大事にされるんだよ」
「狐っていうとね」
王子は狐と聞いてこう言いました。
「悪戯ばかりするってイメージがあるけれど」
「日本だとそうだね」
「うん、そうした生きものなのに」
「白いとね」
「大事にされるんだ」
「そうなるとね
「白いってそんなに凄いんだ」
王子は先生のお話をここまで聞いてでした、しみじみとしてお話しました。
そしてなのでした、あらためてこうも言いました。
「白ね、僕も白は好きだけれど」
「王子は白い服をよく着るね、そういえば」
「うん、白は清らかなイメージがあるから」
「そう、清らかに思えるね白だと」
「だから神道でも大事にされるのかな、白は」
「神道は浄める、そして清らかであることが物凄く大事なんだ」
穏やかでタブーの少ない宗教です、ですがこのことには物凄く厳しいのです。
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